No.35 MAGNIFICENT NINE

2019年3月

世界トップ女子プレイヤーの素敵な面々を、より多くの人に知ってもらいたくスティールダーツを中心としたLーstyle女子の、その年のトップ9名を選抜した、MAGUNIFICENT NINEというチームを作りました。
彼女たちはライバルでもありステージ上では本気で戦いますが、お互いをリスペクトしあい本当に仲の良い素敵な人たちの集まりです。年齢も幅広くこの中にはダーツ発展に欠かせないユースのトップ2名も入っています。彼女たちはダーツが上手なだけではなく、人柄も良く楽しい方たちです。そんな素敵な面々と共に世界のダーツにおける女性のダーツ環境を良くしていきたいという気持ちも込められています。

前回でもお伝えしたように女子のスティールの世界はBDOやWDFに集結していますので、とてもシンプルです。しかし賞金で考えると男子と女子の差は大きく差があり、レイクサイド女子は賞金総額2万9千ポンド優勝1万2千ポンドに対し男子が賞金総額30万ポンド優勝10万ポンドと約10倍の差があります。

もちろんプレイ人口の差もありますがこれこそ卵が先かヒヨコが先かみたいなもので、女性プレイヤーに夢のある世界を作っていきたいと思いました。まずは一人よりチームで色々な国のトップが助け合って、活動を世界中に伝えていければよいと考えたのです。
女性プレイヤーの活動が世界的に目立ってくれば必然的に賞金が上がったり、賞金が増えて目立ってくれば参加人数も増えたりと、色々と面白い動きが出てくるはずです。
多くのスポーツでは女性プレイヤーが目立てばそのスポーツは盛り上がります。特にダーツは女性と男性の差が少ないスポーツだと思います。よくダーツバーで遊んでいても、大きな男の人が女性に負けて悔しがる姿を目にしますが、これがダーツの醍醐味だと思います。

ここで未来さん以外に8名のどんな選手がいるかご紹介します。
まずこのチーム名を考えてくれたDeta Hedman!彼女は100以上のタイトルを持ちあのワールドマスターズでも2度のチャンピオンに輝いています。
2人目は日本でもおなじみ、今年のPDCにも出場したAnastasia!3大大会すべてを制しレイクサイドでは3度も優勝しています。
ワールドトロフィーチャンピオンで美人のFallon Sherrock!彼女は日本にも2度ほど来日してジャパンオープンで優勝経験もあります。
レイクサイドで未来さんと戦ったSharon Prinsはチャンピオンシップで2度準決勝までコマを進めています。

その他3年前未来選手をマスターズで破ったMaria O’Brienやユースチャンピオンから上がりWDFヨーロッパカップで決勝まで行ったRobyn Byrne。
そしてユースの二人Beau GreavesはイギリスユースチャンピオンでWDFユース1位、Lerena Rietbergenはオランダユースチャンピオンです。

2019年はこんな素敵な面々で構成されています。まだ何ができるか手探りですが、日本人では鈴木未来選手もメンバー入りしているMAGNIFICENT NINEの活動をぜひ応援して下さい。

◆ダッチオープンでまたも歴史的快挙!
何故か日本ではJSFDのホームページにも取り上げてもらえないですが、鈴木未来選手のダッチオープンでの活躍は歴史的快挙であります。ダブルスで山口祐理子選手と優勝して個人戦でも優勝、こんなことが現実にあり得るのかとヨーロッパの人も驚いていました。
なぜ日本でこんなスーパースターがいるのにメディアではあまり取り上げられないのでしょうか?
せめて海外派遣の権利を持ちBDOやWDFの下部団体である日本のJSFDは、もう少しこの快挙や努力を伝えて欲しいと思いました。

ですのでダッチオープンの簡単な説明と、どのくらい凄い事かを少しお伝えします。
まずはランクですがダッチオープンはカテゴリーがA+でワールドチャンピオンシップであるレイクサイドと同じです。
イングランドオープンやアイリッシュオープン等1年間で3大タイトル(レイクサイド・ワールドトロフィー・ワールドマスターズ)以外に5つのビックカテゴリーがありますが、その中でも参加人数が世界最大の人気のトーナメントで参加人数が多いため、優勝するのが困難な大会としても知られています。

1973年から続くこのトーナメントの2019年ダッチオープンの参加人数は男子シングルスが3357人ダブルス1585組、女子シングルス367人ダブルス191組と4000人を超えるプレイヤーが優勝を目指すのです。
ダブルスから始まり鈴木未来選手と山口祐理子選手のペアが勝ち上がり優勝した姿は二人の仲の良さも見えたりで本当に感動しました。
気が付けばドイツにいた私は大声で「ナサちゃん(山口祐理子選手)がんばってー!」と叫んでいました。彼女はライバルメーカーのFITフライトの選手ではありますが、そんな事はもはや関係なくなってしまい、全力で応援したのを覚えています。山口選手は頑張るもなにも、誰よりも削りアウトもしっかり決めていました。そしてシングル戦でも勢いそのまま未来選手の圧倒的な強さで優勝する姿は感動以上に驚きました。
実はこの感動を生んだ影の立役者がいましたが、誰かご存知でしょうか?それは昨年オランダのダッチオープンに、一人で突っ込んでいった榎股慎吾選手です。
昨年の衝撃をみんなに伝え、未来選手をはじめとする今回のチームを引率して本人もプレイヤーとして頑張ったのです。
彼の行動力と度胸には、いつも驚かされます。私もそうですが一人で海外に行って、新しいことをするのは本当に勇気がいります。今後も難しいとは思いますが彼のような選手が一人でも多く出てきて欲しいと思いました。

2019年どんな歴史が出来ていくのか楽しみでしょうがありません。
男子もどんどん進化している今、日本のダーツ界が注目されています。プレイヤーのマナーやレベルが大事なのはもちろんですが、世界に誇れる体制や業界にしていかなくてはなりません。
選手と共に成長していかなくてはならなければ、と良いプレッシャーを感じながら世界に立ち向かっていきたいと心から思いました。