No.36 鈴木未来選手 デンマークからウェールズへ13日間の旅

2019年5月

今回は世界でアジアの歴史を塗り替え続けている、鈴木未来さんの2週に渡るデンマークとウェールズでの戦いから…。

レイクサイド以来快進撃を続ける未来さんですが、彼女の活躍がどうしたらもっと、多くの方々に伝えられるか悩んでいます。
レイクサイドのインパクトが強すぎて、今回は結果から申し上げますと、デンマーククラシックの準優勝が最高でデンマークオープン、ウェールズクラシック、ウェールズオープンは準決勝で敗れトップ4まででした!
しかし歴史的には、どの大会も日本人がここまで勝ち上がった事は無いので、全てが快挙なのです。どちらのオープン戦もカテゴリーAプラスなので、世界中から強い選手が集まります。
オーストラリアのトリー選手もここを狙って遠くから来ていました。つまりメンバー的にはほぼレイクサイドと同じですので、優勝はワールドチャンピオンシップと同じくらい難しい事になります。
しかもこの2週間の間で4つのトーナメントをこなして、移動の連続でヨーロッパ在住の選手よりも、体力的にも負担が大きくのしかかります。この状況でレイクサイドの優勝から始まりダッチオープン優勝、そして今回のこの結果は世界中からも賞賛されています。

中継試合ではリサ・アシュトンに敗れましたが、デンマークでは勝っていますしデンマークで負けたファロン相手にはウェールズで勝っています。つまり一日中勝ち上がるまでに、何人もの世界タイトル保持者と戦うことになります。
そしてチャンピオンになるのは、その日1番調子が良い選手が選ばれる、そんな状況になっています。こんな感じで切磋琢磨している世界の女子のレベルは間違いなく上がっています。

未来さんはそんな激戦をしに1人で語学の壁を乗り越えて、飛行機に乗り電車を使って現地まで行くのです。
例えば今回のデンマークからウェールズまで1つとってもこうです。先ずはデンマークの空港からイギリスのヒューストン空港へ行き、そこからチェスターで乗り換えプレタティンへ、後は歩いて30分かけてホテル到着です。この行程を一人旅で行くメンタルには驚かされます。

2週続いた戦いの勝者
レイクサイドでは、ここ6年で4度優勝の絶対女王リサ・アシュトン選手も参加し、デンマークでは日本メーカーのダイナスティーを背負うファロンがクラシックとオープン両方で優勝!そしてウェールズではボウがクラシック、オープン、さらにユースが付いて3つの優勝を勝ちとりました。
今回チャンピオンになったファロンとボウとはどんな選手でしょうか?2人ともLーstyleマグニフィセントのプレイヤーなのですが、ファロンはダイナスティーのトッププレイヤーで、昨年の世界3大大会ワールドトロフィーのチャンピオンです。
彼女は2度ほど日本のJapan Openにも出場していて、優勝した経験もあります。来日の際に色々と観光に連れて行ったのですが、最後にどこが1番楽しかった?と聞くと「ポケモンショップ!」と答えた可愛い女の子です。
彼女を最初に見たのはワールドカップでしたが、バラのユニホームを着たイングランドチームでトリーナ・ガリバー選手やマーチン・アダムス選手と混ざって、ユースとして参加していて、一際目立っていたのを覚えています。

そしてウェールズで勝ったボウですが、出会った時は小さかったのですが、今は身長180センチを超えています。そしてダーツの矢速は男子プレイヤー並で、最近のバルビーブリッジという大会では、女子にして9ダーツを達成するスーパープレイヤーなのです。驚くべきことは彼女はまだ15歳のユースだという事です。

こんな素敵なプレイヤーたちの活躍を是非生中継で見て頂きたいです。もちろん現地に行って観光しながら応援なんかも最高だと思います。
大会会場はロンドンやアムステルダムなどの中心地から離れている場合が多く、観光地のオフシーズンを利用して開催されている感じです。シーズン中では無いですが、その分日本から観光がてら行っても比較的安く行く事が出来ます。
プロやそれを目指している方は代表になって行くという事も、当然狙うところではありますが、逆に先に一度自分から突っ込んでいく方法もありだと思います。なぜならそこにはレイクサイドで見た、あのスーパープレイヤー達がオープン参加しているトーナメントがあるからです。一度大会を楽しんで体感してみるのも、上達への近道かもしれません。

鈴木未来選手がチャレンジした2週間に渡る戦いは、凄いハイレベルな見応えのあるトーナメントでした。この後の予定は6月13~16日イングランドオープン、ペンタスロンや8月1~3日オーストラリアインターナショナルオープンに彼女達はチャレンジします。是非注目して下さい!