Vol.107 藤原 徹也
課題はダーツの飛び

2021年3月号

力の伝達をイメージしてグリップを考えた。
矢角だったり、親指の位置だったり、研究した結果、これが一番良いのではないかと見つけることができたんです。
特に思ったことは親指のポジションは本当に大事ですね。

練習はどのようにしていましたか?
毎日していました。

時間や内容は決めているんですか?
時間は決めていません。自分のスキルの向上、技術の維持のため、毎日ダーツを触る時間を作っていました。内容はまず前日にしたことの確認です。そして当日の指離れの感触を知るために、ビッグブルをします。それからカウントアップ、クリケットカウントアップと進みます。

何か新しい試みはしてみましたか?
バレルを新品にしたり、コーティングがかかっているものにしたり、馴染ませたり、いろいろ変えて練習していました。ツアー中だとその挑戦は難しいと思いますが、これだけ長いオフとなったので出来たことだと思います。

今回はツアー中ですとフォームなど怖くていじりにくい事でも、挑戦した選手が多いのですが何かしましたか?
実は今年に入って1月、調子が良くなかったんです。年末年始バタバタしていたので、投げる時間が少なかったからですね。久しぶりに投げると、訳の分からない状態になってしまっていて…。入ることは入るのですが、再現性とか自分が納得できる指離れのスローには程遠かったです。
今まさにいろいろな事にチャレンジしています。

新しい発見はありましたか?
課題はダーツの飛びだと思ったんですね。僕の場合、それは指離れに集約されると思っています。ダーツの飛びを逆算していくと結局、力を効率的に伝える、力のロスが無いように、気持ちよく投げきれることだと思うんです。そう考えると行く先はグリップですね。今、親指の感覚を研ぎ澄まして練習しています。
その結果、現在人生で一番調子が良いという感じになっています。メッチャクチャ入ります。

具体的にはグリップをどのように変えたのですか?
以前はグリップはこうでなければならない、と決めたく無かったんです。実際トーナメントでそれを意識しすぎて、リズムが良くないことがあったんで考え過ぎないようにしていました。それで持ち方をアバウトにしていたんですが、今回の長いオフ期間で改めて突き詰めて向き合ったんです。
力の伝達をイメージしてグリップを考えた時に、矢角だったり、親指の位置だったり、研究した結果これが一番良いのではないかと見つけることができたんです。特に思ったことは親指のポジションは本当に大事ですね。
親指、人差し指、手首を改良したらダーツの飛びが自分の思い描く理想に近づいて来ました。
トーナメントでは一日を通して試合に勝っていかなければなりません。必ずどこかの場面で修正能力が求められます。さっきの試合はギリギリ勝てたけど、このままでは次は怖いな、とかの場面ですね。1レッグ、1スローでできるだけ早く修正するには、どうしたらいいのかに長く悩まされて来ました。
そしてそれはダーツの飛びだという結論に至りました。例え入らなくても飛びが良いと次に繋がるんです。ですので今ダーツが楽しいですね。

グリップを変えたことによってフォームなどは変化しましたか?
きっと影響しているので変わったかもしれませんが、自分では意識していません。今までも少しずつ自然に変わってきたと思います。今回は細部を変えたので外から見たらほとんど分からないと思いますが、自分では大きな改革でした。

重心やスタンスも変化しましたか?
重心というより身体の軸をできるだけぶれないようにしたんです。以前は3本目でよく動いていたんですが、今はすべて安定させて投げるようにしています。スタンスも多少変わりました。

今回の挑戦でアベレージは上がっていますか?
嬉しいことに上がっています。ブルは同じような感じですが、クリケットの精度が大きく進化したと思います。一昨年のクリケットと比較するとワンランク上がったことは間違いありません。それは対戦した選手にも指摘されます。

今年はきっと何処かの時点でプロツアーが再開されると思いますが、準備万端ですね。
調子の良い今、すぐに再開してほしいですね(笑)。打倒、大城でいきたいと思います。

先日DMC選手、ナンバー1を決める試合で優勝していますね。
そうですね。今回取り組んでいることが正しいと証明されたのではないでしょうか。さらに練習して磨きたいです。目標はランキングナンバー1です!

この機会にスティールは投げましたか?
まだ出来ていないんです。そこそこは入るのですが、本格的には挑戦していません。好きなので、やがては投げたいですね。最近は多くの選手が始めているので、意識はしています。世界に行って活躍するには避けられない道ですからね。

最後にメッセージをお願いいたします。
一日でも早くプロツアーが皆様の目の前で、できることを願っています。その時に良いダーツをお観せできるように日々準備していますので、応援よろしくお願いいたします。