2014年1月
プロといえば、男子
選手がメインに取り扱われ女性プロ選手というのは、なかなか派手な脚光を浴びる事はない。
勿論、「絵的」に雑誌に取り上げられたり公共の電波に乗る事はあれど、それは彼女達の技術的なものに着目しているものではなく、飽くまでも「被写体」として。
いや、これを否定しているわけではありません。
ただ、その「被写体」としてだけに注目されてしまっていたのは、単純に今までは「技術的な問題」というのが根深く横たわり、男子に比べて「安定した実力を提供しづらい」ということと、「ワンポイントレッスン等のアドバイスを出来る女性プロが少ない」という二つの問題があったわけです。
「ヒト」という生物で「女性」というものは美しさの象徴です。なので、むしろどんどん出てもらいたいくらい。
グッズに関しても、以前話しましたが、他のスポーツ業界のグッズ傾向と同様に、このダーツ業界においても「女性選手モデル」というのはそもそもセールスに結びつきにくく、数年前までは、なかなか初期投資をつぎ込んで大きなプロモーション等を行うのは相当な勇気がいるので、男子プロの売り出しのように各社こぞってという雰囲気にはなりにくかったんです。
確かに一時的には「男子顔負け」のスタッツや安定度を見せるのですが、トータル的に考えるとやはり見劣りするので「結構強い女性で、絵的にもいいしね」程度の扱いでイベントや大会に招聘されていたわけです。
所謂「プロ」としてのリスペクトもして呼んだとしても、実際のイベントの内容は、来た人を喜ばせるどころか女性同士で話し込んでしまっていたり、声を掛けられるまではモジモジと、その後においても決して「プロとして呼ばれて、ギャラをもらっている」とは思えない、こちら側が恥ずかしくなってしまうくらい首を傾げてしまう内容が多かった。
イベントに参加してくれたお客様とのコミュニケーションに問題がある女子プロが多かったために、徐々に期待されなくなってきたというのも理由の一つだったのでしょう。
であれば、「絵的に」という理由で呼ばざるをえない訳で。
一応、これ以上の話を進めるために今まで話していたことに当てはまらず、男子との比較ではなく、「プロ」としてしっかり表現出来ている素晴らしい女性プロもたくさんいます。
具体名出していいのかどうかわかりませんが(笑)「THE LEGEND」浅野ゆかり選手や、トークの上手い檜山亜紗子選手のイベント風景は素晴らしいなと感じました。
プロとして、それ以前に「ギャラ」が発生して呼ばれているのだから、参加してくれたお客様との交流やワンポイントでもアドバイス的なものをするのは必要不可欠で、グッズに関してもある程度の知識が必要であると考えます。
女子プロゴルフの世界と比較すると、ダーツ界の女子プロ選手達は頑張らないといけないなぁと思います。
前にも話しましたが「ただ強ければ良い」だけではスポンサーもつきません。「プロ」としてお金をもらうならば、またそう願うのであれば強さ以外のものも同様にある程度は持っていなければならないわけです。
プロとしての意識が低い女子プロ選手が、少数の意識の高い女子プロの足を引っ張っていたと言わざるをえません。
今のPERFECTの女子の試合レベルをご覧になった事があるでしょうか?男子プロ達が観ても「やべぇ」と漏れるくらいな非常にレベルの高い試合を繰り広げています。
インタビュー等もしっかりしており、変に観ているこちら側が恥ずかしくなってしまうようなモジモジした受け答えではなくしっかりしている。
年間ランキング上位者の意識の高さも、プレイから伝わってくるようです。
JAPAN16のレベルも実力的にはほぼ変わらないのでしょうが、どうも観ていてピリッとしたものがないのは、これから期待したいですね。
いずれにしても、今の女子プロレベルは数年前に比べて段違いにアップしており、一時期男子プロの技術レベルがググッと上がったときに酷似しています。
男子プロの今日競技人口に比べると全体の競技人口が少ないので、この技術的進歩は決して遅れているのではなく、むしろ順調に進歩していると考えられます。
これだけの条件が揃いつつあるにも拘らず、なかなか女子に脚光が浴びない。そして重要視されていない。
例えば、賞金に関してもそろそろ賞金額は上がっても良いと思います。それだけの技術力を持ち始めていると思いますし、男子プロでさえツアーを全戦回るのは大変なのに、そもそも賞金額の少ない女子プロ選手は、優勝回数が多かったとしても回るだけマイナスになっていくだけで最終的には「継続する」という事が難しくなり、技術レベルではない資金的な問題で諦めざるを得なくなる訳です。
女子プロ選手の中には、十分とは言わずともギリギリなんとかツアーを追える選手というのは本当に限られている。男子よりも過酷な状況でツアープロを続けています。
いつまでも男子の陰に隠れているようでは、女子プロの将来だけではなくダーツ業界全体が足踏み状態になり、結果的に縮小していく結果になりかねません。
現状でさえ、ダーツバブル時代と比べてグッズメーカー・ダーツバー・ダーツマシンを取り扱うディーラー等は需要数よりも明らかに増えすぎて共食いを始めている状態であり、こうなると全体的に力が弱まってくる。
個々に動いているだけではそろそろ限界点に近づいてきていて、結果的に全体的に効果的なものではないので現状に嘆いているだけという状況が数年続いています。
話はそれますが、選手を世界に送り出す為の資金援助を惜しみなく続けているのはPDCチャレンジに賛同している企業と数社。
この点では、ずっと昔からL-STYLEがハードに関してはずっと援助をし続けている。ソフトダーツという側面からは見えにくい面なんですが、これにより現在日本選手の海外チャレンジが年に数回だとしても可能となっているのは非常に大きい。
PDCにDARTSLIVE社がスポンサーとして出ているのも本当にスゴいことなんですよね。なぜならば、「ハードは儲からない」という現実があるから。
見返りの少ないハード市場に資金を投下するというのは、余程の意気込みがないと難しい。
それだけ日本の市場の中でハードダーツというのは支持されていないということと、ハードダーツではビジネスとして成り立ちにくいというのが、なかなか日本が世界に向けてチャレンジしづらい理由となっています。
まぁ確かに、最初にソフトダーツのインカム目当てで始めたほうが素人でも飲食店の経営が容易で、取っつきやすかったのでしょう。
女子プロに関しても、このハードダーツ同様「儲からない」という理由でおざなりになってしまっては勿体ない。
しかしながら、業界全体として女子を盛り上げるという方向性にならなければ、これから始める女性の流入数というのも減っていく一方。
今プロとして活躍している女性プロ選手及び女性ダーツプレイヤーの為には勿論ですが、女性に対する門戸が広がっていないと、これから新たに始める女性プレイヤーも期待出来ませんからね。
女子プロ選手も、現状よりも多くのものを求めたいならば受け身の姿勢でいるだけではなく、自分からどんどんアピールしていかないと状況はなかなか変わらないでしょうねぇ。
自分をアピールすることは女性として恥ずかしいことではなく、むしろ向上させていくことだと考えて欲しい。
FacebookやTwitterで積極的に発言及び活動している女性プレイヤーはやはり目に入りますし、好意も持たれやすい。ということは支援者も増えるという訳でこれはアイドル等と同じ仕組みですね。
勿論、本意ではない人間も集まりやすくなるとは思いますが、これはこれで「有名税」なわけですから。アンチも増えるかもしれませんが、どの世界にもアンチは出来上がりますし、アンチをネガティブなものに捉えるから、なかなか度胸が付かない。
ただ闇雲に批判したい輩は別、アンチの中にももっともな意見を述べてくれる人は数多い。それを自分がどう受け止めるかだと思います。
2014年は女性の地位の向上が観たいですねぇ。男子ほどではないにしても、賞金の増額や女性プロ選手の意識の底上げ、そしてビジネスとしての糸口という何かしらの小さな入口が開いてくれればなと思っております。
「強くて美しい」という言葉が戦いの中では最強の言葉ですからね。