Jinta_column_Top-28

No.28 ピンチヒッター第二弾

2017年9月

いつもNDLをご購読の皆さま。ダーツ総合メーカーDYNASTY代表取締役の三舩徳宏です。前号だけの予定だったのですが、今回もこちらでコラムを書かせて頂く事になりました。次号では必ず復活してくれるとの事でしたので、芹澤会長ファンの皆さま度々申訳ございませんが、次号までお待ち下さい。

今回は「プレイヤーモデルが出来るまで」をメインテーマにバレルメーカーとしてどの様なコンセプトを持ってバレル作製しているのかについて書かせて頂きます。
これまでにA-FLOWからプレイヤーモデルは36種。KATANAからは唯一、安食賢一選手モデルが発売されています。各選手グリップも違えば投げ方も違う様に全てのプレイヤーモデルに特徴があり、誰にでも合う様なバレルは存在しません。その為、各選手に合ったバレルを作製する必要があります。
選手1人1人の投げ方やグリップに合わせていくのはもちろんなのですが、好みもあるので簡単な作業ではありません。サンプル1発目で決まる事も稀にあるのですが、開発から発売まで1年以上かかる事もザラにありますし、多い選手ではそれまでに数十タイプのサンプルを試す事もあります。
何故ここまでになるかと言いますと「選手の要望を100%再現する。」選手モデルでは最もここに拘って開発にあたっています。なので開発最終段階に入ってもカットで言えば0.1mm。更に拘る選手ですと0.05mmまで調整が入りますし、重心位置もコンマ何mmまで調整が入ります。開発途中で非常に良い仕上がりだと思ってもその事を選手へ伝えると先入観が出てしまうので、聞かれた場合は答えますが、我々から選手へ仕上がりの感想を伝える事はしないようにしています。
なのでプレイヤーモデルは100%納得してもらい選手からのGOが出ない限り商品化されませんので、最終OKをもらった瞬間の達成感はハンパじゃありません!!
DYNASTYとしてもコストパフォーマンスに優れた様々なバレルラインナップを取り揃えております。初級者モデル・中級者モデル・上級者モデルの機能性を重視したバレルだったり、デザインや見た目にも拘ったバレル等。
これを作製するのも皆さまへ満足して頂く為に非常にプレッシャーを感じながら作業をするのですが、プレイヤーモデルもまた別のプレッシャーがあります。プレイヤーモデルを作る目的の1つとして「選手に優勝してもらう事」これです。これが選手との共通目標であり非常に重要項目で、契約選手は皆大好きな選手なので我々はあくまでも裏方なのですが、皆の武器となるバレル作製で目標を達成するお手伝いを何とかできればと思っています。
その為の開発にかかる時間や費用はとても大事にしていますし、バレルに細部まで拘ってくれる選手は大歓迎で、こちらも「絶対に納得する良いバレルを作ってやる!」と燃えてきます!!
昨年では用品契約直後のPERFECTで初優勝を飾ってくれた金子憲太選手。更には用品契約3戦目でJAPAN初優勝を飾ってくれた中村俊太郎選手。今年では新たなバレルを作製し結果を残してくれている大内麻由美選手や清水舞友選手。この結果はあくまでも選手の努力があってからこそですがメーカーとしても最高の瞬間でもあります。
そしてバレルデザインですが「1日で出来ますか?」と言われる事もあるのですが、全てのデザインが決まっていればもちろん出来ますが、そんな事はまず無いので時間がかかります。
我々も良いものを作ろうとしている訳ですから、選手から預かった要望を再現しながら選手に合ったデザインをしていく必要があります。スムーズに進む時もありますが、悩んだ場合はしばらく図面から離れて頭の片隅に置いておき、頭の中で組み立てます。
今までの経験上気持ちが乗っていない時にデザインをしても全く進まないので、気持ちが乗った時に一気にこれまで頭の中で組み立てたデザインを形にする様にしています。ですので選手の皆さま忘れている訳ではないので、時間がかかっても気長にお待ちくださいませ。

Jinta_column_No.28-1

最後に、これまで数々のタイトルを獲得してきた事は皆さまご存じの通りだと思いますが、シグネイチャーモデルも多く作製してきているスーパースターの安食賢一選手のKATANA第二弾モデル。そして、満を持して山本信博選手のKATANAファーストモデルが年末にかけて発売予定ですので、ご期待下さい!!

L-style よろしくお願いいたします