2012年9月
まずは、一番表に出ているとしてダーツバーのスタッフを紹介しましたね。今回は、そのダーツバー及びショップに実際にダーツマシンを置いている人々、「インストラクター」及び「ディーラー」という職種を紹介していきましょう。
まずは、「インストラクター」という人々。彼らはそのマシンを所有しているディーラーから依頼されて、台の新規設置や台に入っている100円玉(インカム)を定期的に集金する、及び例えば大会のポスターやその他何かの告知をお店に知らせる役目でもありますね。
インストラクターというと、ダーツのフォームなりの技術的なものを指すと思われがちですけど、この業界では広い範囲で、「インストラクター」と呼んでいます。
台に入ったインカムの集金の内、一般的には5%~15%を手数料としてもらうというシステム。台を大量に設置しているディーラーさんの場合には、これだけでも十分に仕事になりますし、小さなディーラーのインストラクターの場合には、アルバイト感覚でやっている人も多い。
そのお店のインカムが上がれば、自分の取り分も上がるので所謂能力給的な要素が高く、営業出来るかどうかとそのお店に的確なアドバイスが出来るかどうかが非常に重要になってきます。ダーツの知識は勿論ないと話になりませんよね。
ディーラーさんの社員さんが直接お店の担当をしない場合には、彼らインストラクターがお店のオーナーさんやスタッフ達の「ダーツの相談役」であったり、その他色々な相談に乗る訳ですので、良いインストラクターは多くの店から信頼度も高く、なかなか高い影響力があります。
どれだけ上の人間達があれこれ言っても、彼らが一番のフロントマンですからねぇ。この他に大会運営のスタッフ迄をこなす能力の高いインストラクターさんは本当に重宝されます。
そして、そのインストラクターを統括するのがディーラーさん。マシンメーカーから台を購入及びレンタルして、台の設置及びディーラーさんによっては、年に数回大会を主催する職種。
お店のダーツ商品やらマシンの不具合等をインストラクターから連絡を受けて、それを用意してインストラクターに手配したり、エンドユーザーのリクエストを、マシンメーカーの担当さんと交渉したりする役目もディーラーさん。
大きなディーラーになると、保有台数が500台以上となり、抱えるインストラクターや社員さんも増えるので大きな艦隊ですね。
その他、このディーラーさんがダーツショップを兼任していたり、ダーツグッズメーカーをやっている例も多く、こうなるとダーツ界のデパート的な立場になります。ディーラーになると、もう立派な業界人ですよね(笑)。
このディーラーというものにも、保有台数が10台以下から千台近く持っているディーラーさん迄本当に様々。
基本的に、100台以上持っているディーラーさんは、何かしらの大会主催を行っていますよね。
マシンメーカーから観れば、台数が多ければ多いだけ「お得意様」なわけで、発言力も強くなりますし立場も高い。このディーラーという会社組織の中では、大きいディラーさんの場合必ず腕利きの番頭さん(社長の右腕的人材)がいる場合が多い。
業界人レベルでは、「あそこのディーラーの~は出来る」とか噂になるくらいです。
特に新しい県や新店舗で、その番頭が自ら指揮を取っていたりすると「おお、やる気なんだな」と感じるくらいですからね(笑)。
しかし、この辺りからダーツ界の「しがらみ」が出てくるのも確か。良い事ばかりじゃありませんね(笑)。
メインで扱うダーツマシンに因っていたり、地域的なビジネス戦争を行っている場合には、社員さんも何も考えないで行動するということは出来なくなっていくんですよね。
因みに僕の場合には、「マシンメーカーの企画屋」だったので、フリーになってもう5年になるのに、いまだに「戦犯」扱いされますからね(笑)。
会社の利益を守らないといけない立場なので、「建前」と「本音」を使い分ける必要性が出てくる訳です。
「狭い業界なんだから仲良く」という論理は、このレベルではなかなか通用しない。
会社が頑張らなければ、月々の給与も上がらないし(更には、不払いなんてこともちらほら聞くご時世)まさに「ダーツビジネス」になってくる訳ですねぇ。
簡単に言えば、現在の携帯電話のキャリア戦争と酷使していますよね。キャリアがマシンメーカー、各販売店がディーラーな訳ですから。
このディーラーをもっと細分化しましょうか。
「自社ロケ(店舗)推進型」と「マシン売り飛ばし型」、自社ロケを作らず「純然たるディーラー型」となります。
どれがどうということはありません。その会社の得意な分野を伸ばしてそういう形になったのでしょうからね。
お店のオーナーさんがディーラーさんを選ぶ場合には、この辺を分かっておくと随分違うかもしれません。
自社ロケの場合には、台の利益配分がないからそのまま利益でしょ?儲かるじゃん!っと考えますよね?
これがそうでもない。借りていた方がリスクも少ないし初期投資がいらない分、利益も速攻で上がる訳ですから、そのお店のインカム額によって、非常にシビアなジャッジが必要になります。
台を多く設置している店舗さんならば、ほぼ確実にディスカウントされる可能性が高いので、そうであればちょっとした手数料を払っているだけで、自分で抱えるリスクを回避出来るならばそちらのほうが良いと思いますしね。
昔は絶対にディーラーになったほうが利益的にも期待を持てましたが、「価格競争」になった今、借りている方が得なのかな?
マシンメーカーとお店の間に挟まれている立場のディーラーさんが、自分達の利益を減らして設置せざるをえない状況が今ですからね。
色々なディーラーさんとやり取りしていると「大変だなぁ」と思いますからねぇ…。
さて、ディーラーの上、マシンメーカーは次号で!