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No.20 「ローカル大会」に着手したい

2015年1月

男の大厄も終わり、昨年は助走的な感じで一年を過ごさせて頂いたんですね。
意外と厄とか大殺界とか気にしちゃうタイプなんで(笑)。この3年間はあまり大きな動きをするのは止めようと。それよりも、今の現状をじっくり観察する時間として使ったという感じかな。
だいぶ方向性が見えてきたので2015年からは、ソロソロと大会企画とかでなんかやってみたいなと。今まで散々全国規模の大会はやってきているので、前々から気になっていた、いや自信がなかった「ローカル大会」に着手したいなと思い始めたんです。
全国大会のフォーマットは、それこそ自分が作ってきたものの変化系であったりとあまり変化がないということと、大人数の場合には時間的制約はあれど豊富なスタッフ人員数及び使用マシン台数等で「余裕」が出てくるので、参加数がある程度いて経費をリクープ出来ていれば、当日失敗するということはほぼないんです。
稀に、コントロールの不手際で参加者の皆様に大会進行的な部分で多大な迷惑を掛けているとか、食事の確保数及び飲み物の確保数で昼前に完売になってしまって、何も食べるものがない等のトラブルというのは、単純に「主催者が何も考えてない」としか言えない(笑)。
そういう当たり前の部分がしっかりしていれば、まず失敗しないのが全国規模の大会で、スタッフも全国大会クラスになるとそれこそ「トーナメント運営のスペシャリスト達」が集結しているので余計に大きなトラブルに発展することは少ないんです。

問題はローカル大会なんですよね(笑)。素人とは言わずとも、一年に一回大会を開く程度だと、やはりトーナメント運営ということにそんなに慣れていないわけで、いろいろなトラブルだったり大会企画自体のマンネリ化が問題視されてくる。
参加人数や台数制限等で実は非常に難しいのがローカル大会なんですよね。参加人数に対してマシンを沢山用意しておけばいくらでも出来ますけど、参加人数に対しての「予算」が出てきますから全国大会よりもスキルが求められる。
それを失敗しないようにとなると、やはり全国大会で行っているようなフォーマットで行わざるを得ない状況になり、結果的に「全国大会の縮小版」でいいんではないかという考えになってくる。
地元に根づいた大会にしたいわけで、誰でも失敗はしたくないし参加者に「楽しかった」と言ってもらいたい。
もちろん、その土地の特色を生かしたイベントプログラム等を行っている場所もあるのですが、やはりどうしても既存のフォーマットの延長線上にあるものには変わりない。
それでも、地元に貢献する大会というのは素晴らしいもので、なかなか全国大会に出ることが出来ない参加者や大会未経験者にとっては非常にありがたい存在。

正直、今までの僕が企画してきた大会はマシン台数は100台クラスが当たり前で、スタッフも自分の意図を理解してくれている猛者達で固めていたし、「ガチンコ」を極限まで突き詰めたものをやれば後はその最終目標を「デコレーションしてあげれば」それなりに出来てしまうわけです。
その当時から、ずっと「ローカル大会を自分が企画したらどうなるんだろう?」という心の中の問題提起とアイデアの枯渇の怖さから、なかなか手を出せなかったというのが本音。
それくらい僕の中では「ローカル大会」というのは非常にシビアで難しいものだと思っていた。
もちろん、今でもその不安要素は払拭出来ませんが、「ならば、やらないで口だけ出している奴よりも実際にやっている人間が一番強い」と思うタイプなので、今年から始めてみようと。
幸い、多くのローカル大会の主催者と仲が良いので「ちょっとやりたいんだけどいい?」とお願いを(笑)。
僕の考えでは一年でバグフィックスはもちろんのこと、場所柄やその地域の特色、そして会場といろいろな形態に対応出来るものに昇華させていけたらと思っています。
まぁ、正直今までのものを全て壊すわけでもないですし、当日どれだけ楽しんで頂けるかですから、完全なる正解はないんですけどね。
ただ、少なくとも目に見えないところ、例えば会場での参加者の貴重品の扱いだったり慣れていない参加者の方が安心して大会を楽しんでもらえるシステム作りや、スポーツライクな部分とそうでない部分の振り幅をしっかり認識して、どうやって盛り上げるのかという部分がブレなければ、「これが最高の形だ」というものではないですが、「これも一つの大会の形だよね」というものが提案出来ればいいかなと思っています。

いずれは、「あのシステムで大会やるならばちょっと遠征してもいいかな」と「人が動くように」出来たらいいのかな。
大会システムを構築するというのは、僕の場合「カッチリ」やるべき部分と「ここはフワッとしている方がいい」という部分を明確に分類して、更には自分の不得意な分野に関してはスペシャリストに任せる。
ただ全体的に自分が描いている「世界観」は共通認識として持ってもらう。僕の大会企画の最も大事な部分は「世界観のない大会はやっても意味がない」ということ。
世界観って大事ですよね。アミューズメントに於ける最も大事なものは「世界観」。
ここが頭の中で構築出来ていない限り、やっても失敗こそしないものの次に繋がる大会、参加者の多くが楽しんでもらえる大会にはなかなかなり得ない。
ここが一番ローカル大会では難しいんですよねぇ。大きな大会のように参加者数に対して舞台装置やらなにやらに費用を掛けられるわけではないし、比較的安価で世界観を作れなければ、いろいろな場所で出来るものでもなくなってしまう。
着眼点としては、舞台や装飾は一切出来ないとしても、その空間に流れているものが楽しんでもらえるような感じですかねぇ。まだ完全には頭の中でパズルが組み合わさっていないのですが、この霧が徐々に晴れていくのも楽しいんですけどね(笑)。

そんなこんなで、今年は今までスルーしていたものを全部やってみようと思っている年なので、頑張っていこうと思っております。

DARTS MANIAX