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No.25 HYSTERIC

2016年1月

不快感動。
外的の事情や刺激に対し精神的あるいは身体的反応が起こる症状。理知的色彩が乏しく経衰弱型より極めて意識的且つ演出的言動を引き起こす。
この不快感動により感情が易変し自己でのコントロールを失う人格を総合して「ヒステリー」と称する。
ヒステリーとは大半が女性の過度な興奮状態による心身病と思われがちですが、現代においては女性的な(例として草食系や女子力高め、女々しいとと言われる)男性が増えている中で、男性にもヒステリック障害を持つ人の比率が増加傾向にあります。
その一方で、19世紀ギリシャでヒステリーとは、女性のホルモンバランスの崩れ(所謂生理周期)での骨盤内鬱血によるものとの誤った解釈が蔓延し、ギリシャ語で「子宮」を意味するヒステリアが語源とされる。

ではなぜ女性(或いは女性的思考の男性)に、ヒステリー(抑制できぬ神経症)が発祥し易いのか?大々的要因としてそれは男女の「脳の構造」の違いにあります。
御存じの通り人間の理性を司るのは大脳であり、この大脳は言語動力の「左脳」と感情の「右脳」に分け隔てられ、その間には「脳梁」と呼ばれる太い神経線維の束が存在し、右脳左脳はこの神経線維を通じて繋げられています。脳梁の大きさは男女で異なり、女性の方が男性に比べて遥かに太い構造となっているのです。
脳梁が太い…つまりは感情と言動の情報交換伝達量が女性の方が多い、イコール感情的な言葉や行動をとり易く、物事を直感的に判断してしまう。
女性の脳は感情的な言動を即座に表現せずにはいられない構造となっている反面、それを抑制しようとする理性もまた男性より強く、その感情をコントロールするホルモンの種類も男性が一種であるのに対して女性は多種である。
だがしかし女性にはそのホルモンの分泌が崩れる時期が周期的に訪れる…生理(月経)があります。この生理周期には感情をコントロールするホルモンが分泌されず、脳内では感情と言動の情報交換量が過剰になり、自己では抑制できぬ言葉や行動が表に出やすくなります。
元々ある種のホルモンの分泌量が少なかったり、その分泌に乱れがありがちな人は、この生理周期に他者の理解の範疇を超える(異常または病的な)言動が見られます。こういったパーソナリティ障害を持つ人格者をヒステリーと呼びます。
一変して、生理周期とは逆に(月経後およそ2週間前後で)女性には排卵期が訪れる。所謂妊娠準備期間…危険日とも言う…この期約3~5日間は女性ホルモンが最も多く分泌され、身体にも変化があり女性としては艶やかに美しくなる。それに伴い、精神面でも安定し時には性欲的な面も現れます。
この期の女性はメンタルが安定して体調も優れているため、競技においてもより良い状態を保てると言えるでしょう。
体調管理や健康管理に気を配り、競技に向けてトレーニングを重ねていても、女性には定期的に訪れる生理周期(低迷期)から逃れる術はありません。ある意味女性アスリートにとっての一番の敵は自身を司るホルモンかもしれませんね。

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では男性には低迷期は訪れないのでしょうか?実は男性にも生理周期が存在するという事はご存知でしたか?
生理とは言っても、女性のように出血があったり下腹部や下半身に痛みを伴うモノではありません。ですが女性と同じくそれは28~35周期の間で必ず訪れるのです。
これは医学的にも証明されている事実で、男性の生理とは「骨盤周期」を意味します。
骨盤周期とは、女性と同じく骨盤が開く時期と閉じる時期の事ですが、男性の場合はホルモンの分泌と関係ありません。男性ホルモンは常に分泌されているのですから。ですが女性の妊娠準備期間とは深く関わっています。
その周期は(女性の排卵と月経と同じく)約2週間ごとに訪れ、この期によって変化するのは「精子の量」です。
骨盤が2週間かけてゆっくりと開き始めると、男性器の中では徐々に精子の作られる量が増え、同時に性欲的になります。
つまり女性の排卵期と同様、体調は優れ活発的且つ精力的(稀に異常なまでの興奮状態)になり、性欲も膨れ上がります。起床時に男性器が勃起状態になり易いのもこの周期と言えるでしょう。
無論、競技においても意欲的に良い結果に繫がり易くなります。
逆に骨盤が閉じ始めると、精子の作られる量が減り、性欲も抑えられ消極的になりがちです。これこそが低迷期であり、所謂男性の生理現象でもあるのです。

男性は低迷期に入ると、体調面での不調(例えば腰が痛む、風邪をひきやすい)等、一見するとただの体調不良と見紛うような症状や、精神面での不安定(単にストレスと思いがち)を引き起こします。
最も自覚しやすいのは、普段気にも留めなかったことにイライラしてしまい排他的な言動をとってしまう、どっちでもいいどうでもいい興味がない等、無気力な言葉を口に出してしまうといった症状です。
低迷期では競技(主にメンタル)にも影響が出ますが、周期と関係なく分泌される男性ホルモンはこの精神状態を抑制し猛る性質を持っています。つまり女性ほど競技においては生理周期に翻弄される事は少ないという事です。

女性のように出血があるわけでもなく、女性の排卵日のように体温の高低で周期の特定ができない為、男性は自分の生理周期(低迷期)がいつなのか、また何日周期で訪れ次の好調期低迷期がいつなのか、判断するのが難しいでしょう。医学的には数日ごとに精子の量を測定すれば断定できますが…。
女性アスリートの場合、生理周期(低迷期)を競技に当たらせない為、ピル(経口避妊薬)を服用して調整する方法があります。ですがこれはあくまで、一時的な措置のため毎週のように競技に参戦している女性には難しいでしょう。30日以上生理を抑制することは身体的損傷と代償があまりにも大きすぎますから。
男性アスリートの場合、競技時期が低迷期に当たるのであれば簡易措置として「人為的に精子の作られる量を増やす」という選択肢があります。つまり、競技の日程2~3日前に精子を体外へ放出するという方法です。人為的に精子が体外へ出されれば、男性の体内では自ずと新たに精子を作ろうと励むことでしょう。

禁欲だけではなく時に快楽も、勝利への道標となるのでは…?