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No.37 今年ももうすぐ終了

2017年11月

今年は父の他界を含めて、本当に沢山の出来事がありました。
なんだかんだとバタついているうちに、もう2017年が終わろうとしているんですけど、まだやり残した感が満載です(笑)。
そうやっていつも年を跨いでいくんですよねぇ。
それにしても、今年は出張も多く色々な立ち上げも多かったので、疲れている場合ではなかったというのが本音ですねぇ。来年以降はルーティン化されていくものと、また新たに立ち上げないといけないものがありますので、今年と差して変わらずな1年が繰り広げられそうです。

この歳になっても、新しい人との出会いや新しいことにチャレンジ出来るというのは非常に有難いことで、まだ勉強していかないといけないことも多いし、もっとスキルを上げていかないと対応出来ないことが増えてきているので、とにかく時間を上手く使わないといけない。
睡眠はだいぶ減りましたが、ワーカホリックな僕にとっては非常に充実した状態かもしれません。

大きく変わったことは、「チームでの連携作業」という流れを取り入れたことかもしれませんね。
今までは、ほとんどが一人で完結させていくようなシステムにしていたものを、周りに頼れるようになってきたと。
僕よりもそれぞれのプロが周りにいるわけで、当たり前のようにこちらがリクエストを出さなくても理解してくれて制作物が上がってくるというのは本当に助かります。
通年通してのプロットをどうやって流れに乗らせるかが重要で、人が多く関わるプロジェクトだとそれが一人ではなかなか時間が捗らないということが多かったんですけどね。
特に大事なのは、今年立ち上げたもののバグフィックスを掛けつつの次のステップへのプロット作りが必須となります。
1年目はそんなに大変ではないんです。否が応でも「新しい」というのがキーワードになりますから、それに寄せていけることが多いんですけど、2年目というのはそうもいかず、ただ1年目のルーティン化を続けているだけだと飽きられますからね。
2年目こそ、新しい試みを試していって3年目に繋がっていくことでブランディングというのは完成しやすいので、考えることが多い2018年になるでしょうねぇ。
考えることは嫌いではないんですけど、いい案が浮かぶまでにまぁ時間が掛かりますからね。

例えば、バレルブランドの場合にはメンバー構成を変えることで目新しく見えたりするものなんですが、これが非常に危険な賭けで即効性があるにはあるんですけど、そんなにプロモーションとして持たないんですね。
スキャンダル性が高いものほど、熱しやすく冷めやすい。
なので、根本的な部分で色々な仕掛けをしていく必要があるわけで、これの差し引きが難しい。
特に今のダーツ業界では毎年選手の流動が激しいので、ユーザー自体もそんなに珍しいことでもないので、ネットの特集程度の意味合いにしかならないことが多い。
もう選手主体でバレルがグッズが売れる時代ではなくなってきていて、ブランドがしっかりしていて初めて価値が高まる状態になっている。まぁ、正常化されてきているということですね。
余程の新しい商品でも、廃れるのが早いですしね。
大会の企画自体もコンセプトは守りつつ、内部の充実に向けて熟成させる必要性があります。これを怠るとあっという間に廃れていく。
僕が携わらせてもらっている企画も、既に2019年までのプロットをどうやって組み上げるかを今からやっているくらいですから(笑)。
長いスパンでの構想を考えておかないと、その場しのぎのものでしか対応出来ないですからね。これが当たる場合があるから困るんですけど。
常に「最悪」のパターンを想定して、「最低限の負け方」というのを予想しつつ可能であればどれだけ価値を高めれられるかという仕掛けを作る。
大手ならば3割バッターでもいいんですけどね。10割近く打たないとブランドはダメな時があるんです。
これがフリーランスの辛さでもあるんですけど、ハマった時の爽快感と緊張感を楽しめる人はいいかもしれませんよね。

また12月といえば、契約更新が近づく時なので選手たちもワサワサし始めますよね。
JAPANは翌年3月までとは言っても、折衝は既に早いところだと行われていますし、PERFECTは12月でFINALを迎えるのでバタバタと動き始める時期ですね。
今年一年でどれだけ活躍したのか、または思ったような活躍が出来なかったのかでかなり天国か地獄か。
キープという人はまだいいかもしれません。
最近は、ブランド側もシビアになってきているので選手にとっては大変でしょう。しかし、これが正常なスポンサードの形ではないでしょうかね。
金銭契約を結ぶ選手もいるでしょうし、大幅にダウンする人もいる。
プロの世界が段々厳しくなってきているというよりも、他のスポーツ業界と並んできた証拠でしょうね。
でも、最近プロでも勘違いしている選手の多いこと。
「結果だけ出せばいいのがプロではない」というのがわかってない。影響力がなければ広告効果にもならないし、元々の魅力、これは良くも悪くも「注目されていなければ」どれだけ活躍したところで評価は低いものとなります。
ここを割り切れるかどうかで、トップ選手と言われるかどうかが大きく変わってきます。
成績は上位、でも人気がない。これはスポンサー側としては評価対象としては低く評価せざるを得ない。
成績はそこそこでも影響力がある選手というのが「広告塔」になれるのであって、勿論両方を兼ね備えている選手は大金の契約が結ばれます。
しかしながら、自分をアピール出来ない選手等は自ずとから評価を上げられないので「勿体ないなぁ」と思う選手が多い。

よくアピールだけが上手くて、大した成績も残してないのに…と陰口を叩く人もいますが、ブランドも企業です。ビジネス的に考えたら、ちょっとの差の成績であればそれはアピールが上手い選手を取ります。
そして、ブランドと常に連絡を取り合って可愛がってもらうというのも大事なことですよね。以前、「オトナの騙し方」というコラムを書きましたが、これが出来なければいつまでも自分の順番は回ってこないと思ってもらって構いません。
「オンリーワン」でなければ他を探せばいいだけで、今の状況では似たような選手は周りに溢れるほどいるはずです。
そうなるには、イベントも上手にならないといけないしファンを増やすためにトークも上手にならないといけない。ただ、寡黙にプレイして結果を出していく選手は稀です。その道を歩むのであれば、年間チャンピオンクラスでないと難しい。
その年間チャンピオンになった選手のバレルでさえ、影響力がないと売れない。そうなると選手としての評価は技術面では高く評価されていても、スポンサードの金額となるとこれが比例するわけではないんです。

選手とブランドが対等で良い関係を続けていくためには、選手はブランドのニーズをもうちょっと把握する必要があるのではないかと思います。
またブランドも、「選手を育てていく」というシステム作りをしていかないと生え抜きも生まれませんし、ただ毎年金額の叩き合いになるだけで、結果的に無駄な出費が増えるんだけどなぁと。

12月は「師走」と言いますが、選手もブランドもこの言葉通りに奔走する時期なんですね。

来年はどうなるんだろうなぁ、今から楽しみです。

DARTS MANIAX