Sakai_column_Top-47

No.47 今年も一年宜しくお願いします

2019年1月

早くも2019年最初の号ですね。今年も一年宜しくお願いします。
年末年始は日本のダーツ業界は日本人選手の海外での活躍に沸きましたね。
PDCワールド・チャンピオンシップでは浅田斉吾選手が活躍しました。
1回戦はポーランドのクルジシュトフ・ラタスキ。ラタスキはPDCとBDOのトップ選手だけが招待され出場できるグランドスラム・オブ・ダーツにも出場しており、強者揃いの予選を勝ち抜き9位タイの成績を残している強豪選手です。
この対戦が決まった時、多くの方と同じように正直厳しいなと思いました。
スタートはやや固い雰囲気があったように感じあっという間に2セットを取られ後が無くなるんですがここからよく粘りました。
3セット連取して逆転勝利。両者とも3ダーツアベレージで90を超える攻防を制しての勝利は本当に凄かったですね。
そして翌日にはジェイムズ・ウェイドと対戦です。ウェイドは10年以上に渡りPDCのトップで活躍する選手で日本でも御馴染みの最強サウスポー。正直なところ勝つのは厳しいだろうけれど良い試合をしてくれればなんて思っていました。
過去の日本人選手とPDCのトップランカーとの対戦では見せ場はあったのもの、やっぱり歴然とした差を感じていましたからそう思うのが普通でしょう。
それが1レッグ目を取られるものの13ダーツ、12ダーツ、16ダーツと連取して1セット目を取ります。
この日はスタートから良い立ち上がりです。逆にウェイドの方は簡単に勝てると思っていた相手に良いダーツをされたからか、少し苛立ちも見られます。
2セット目はウェイドが取り返すも、3セット目も浅田斉吾が取りあと1セットで勝利です。
ここから粘るのがトップランカーの実力でしょう。
4セット目を取ると最終セットは2ー2となり2レッグ差を付けた方が勝ちとなる状況であっさりと2レッグ連取してジェイムズ・ウェイドが勝利。
いやー、惜しかった。勝てると思ったのですが。
ワールド・カップ・オブ・ダーツの時のような目立ったアレンジミスもありませんでしたし、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたと思います。
でも勝てたよなあ、当然本人が一番分かっていて悔しいとは思うのですが。

今年浅田選手はどうするんでしょうね?昨年と同様パーフェクトとアジアンツアーを戦いながらワールド・チャンピオンシップを狙うのでしょうか。
私個人的にはもっとPDCで戦う機会を作って欲しいなあと思ったりします。
5年くらい前かな、彼と話をした時に多くの選手がPDCを目指すのにPDCだけのチャレンジをしていましたが、彼はその時BDOで実績を付けてPDCを狙いたいと話していて私はその時その狙いを支持していたんですよね。
実際彼はワールド・マスターズで決勝戦までは手が届きませんでしたが、日本人男子として初の本戦のステージに立ちました。
ここまで着実に階段を登っている浅田選手ですからもっと凄い事を期待したいですね。

このコラムを書くにあたりPDCライヴ・スコアというサイトで試合のデーターを見ていたのですが、1スローの1本目・2本目・3本目のアベレージが出ていました。
よく見てみるとクオーターファイナルくらいまで残った選手は多くが3本目・2本目の得点が最も高く、1本目が一番低いんですよね。
それと比べて1回戦2回戦で負けた選手は1本目・2本目の得点が一番高い事が多く、3本目の得点が低い事が多いんですよね。
アベレージが90点前後と100点前後の差はそこなのかなあと思いました。
12ダーツ目までの4スローの間で、3本目にもう1本トリプルが増えれば40点増えるわけで、そうすればアベレージは100点前後に近づくのではないかと思います。
3本目を如何に入れるのか、ここからがトップ選手の中でも差が出てくる所ではないでしょうか。

それから例年日本人出場の試合前になるとFacebookで「試合見られるサイト教えてください」との書き込みや、無料で見られるミラーサイトを紹介しているのを多く見かけるのですが、今年はほとんど見かけませんでしたし直接連絡があったのも1名だけでした。
ダゾーンがPDCの試合を中継するようになって有料で見る人が増えたのでしょうか?

年が明けて新年になるとBDO ワールド・プロフェッショナル・ダーツ・チャンピオンシップス(通称レイクサイド)に鈴木未来が登場です。
PDCに女性部門はありませんから、女性にとっては唯一の世界タイトルです。
出場できるのは16名だけで日本人がこのステージに立つのは初ではないかと思います。
鈴木未来はワールド・マスターズ前日に開催されたレイクサイド予選を勝ち上がっての出場です。
9年前にワールド・マスターズに日本人選手のマネージャーとして同行させてもらったのですが、その時から女子選手に関しては日本人も優勝のチャンスがあると思ったんですよね。
そして今現在の鈴木未来の実力ですから、優勝しても不思議ではないと本当に思っています。
とはいえ、ソフトダーツでの試合経験は十分でしょうが、スティールダーツでのステージ上での競った試合というのはなかなか無いでしょうから、その辺が不安な点といえば不安な点か。
このコラムを書いている時点行われたのは初戦のリサ・アシュトンに勝った試合まで。
リサ・アシュトンは2014年から2018年で4度の世界チャンピオンに輝く現在のトップ選手。
終始試合をリードし未来選手が勝利しました。凄かった、でもまだまだ私は出来ると思います。
この試合で一番気になったのは試合よりも彼女の入場シーン。終始ニコニコしながらの楽しそうな入場でした。
試合では勿論集中するのですが、それ以外の部分では実にリラックスして楽しんでいる雰囲気でした。自分に合ったメンタルコントロールが出来ているんでしょう。
プロ選手に時々「メンタルが弱いけれどどうしたらいいか?」なんて質問をされるのですが、メンタルに強いも弱いもありませんし、ただ自分に合ったスタイルが見つかっていないのでしょう。
未来選手のように気負い過ぎずに楽しむスタイルが自分の実力を出せる人もいますし、淡々とまわりに関係なく試合をすすめる方が良い人もいます。
気負い過ぎと思われるくらい意気込んだ方が自分の力を出せる人もいるでしょう。試合で実力が出せないと思う人は、試合でのルーティーンもそうですし、気持ちの置き方を色々と試してみて、自分にあったスタイルを探してみては如何でしょう。
相手が投げているダーツを見るか見ないかを変えるだけで結構変わったりしますよ。私はちょっと怒り気味なくらいにガーッと集中した方が良いんですよね。相手が投げているのもほとんど見ずに。
とは言っても団体役員ですし、スコアラーが初めての人には教えてあげたりしながらやったりしていますし、もうそんなに集中してダーツした事なんか無いんですけどね。
あ、これはダーツプレイヤーがやっては駄目な言い訳ってヤツですね。こんなプレイヤーにはならないでくださいね(笑)。

さて、本号が出る頃には鈴木未来選手の結果も出ていますが、良い結果を期待しております。

ダーツ屋どっとこむ よろしくお願いいたします