No.43 コロナ禍でもダーツを繋ぐ

2020年11月

良いお薬のお陰で重症化率も下がり、やっと世界でもワクチン完成が近づいたニュースが出始め、光だけは見えて来ました。しかし残念なご報告ではありますが、前回お伝えした2021年2月開催予定の世界一のダーツ女子会は延期を決定致しました。
女子の世界トップランカーを招いて大会やイベントをする予定でしたが、2月にしっかりした状況が見えない事から早めの判断をしました。
大きな理由としては、女子会と言うからには大会はもちろんのことそれと同じくらい交流会を重視しておりました。楽しく世界中の人たちと友達になれたり、女性プレイヤーの世界のレベルを知ってもらいたいからです。
今回の延期はコロナ収束の状況が見えてからしっかり計画を練り直したいと思いますが必ず実現いたします!

■こんな中で日本のダーツ界は選手やダーツファン、メーカーの皆様で一生懸命ダーツを繋ぐ努力をしています。
ダブルス形式で行われるPDCワールドカップ日本代表の山田勇樹選手と浅田斉吾選手はオーストリアまで、世界チャンピオンの鈴木未来選手はグランドスラム出場でイギリスへ旅立ちました。そして年末にはPDJチャンピオンのエディーことファウルクス昌司エドワード選手が同じくイギリスにPDCワールドチャンピオンシップに挑む予定です。

結果からお伝えすると、このコラムを書いている時は鈴木未来選手がイギリスに到着したばかりなので結果は分かりませんが、PDCワールドカップ組は残念ながら1回戦目で負けてしまいました。

今回のコラムではゲームの内容よりも日本代表選手達の努力を少しでも皆様に知ってもらいたい気持ちで書きます。
まず帰国後も自主隔離など日常の仕事にも大きく影響してしまうコロナ禍での遠征、これを自身で決定しただけでもどれだけの覚悟があるか分かります。
ワールドカップ代表の2人はどちらも自分のお店を経営していますので、この遠征期間に自主隔離がプラスされるという事がどれだけ長くリスクがあるか、そして鈴木未来選手も家族を残してこの状況下で1人でイギリスに向かうのがどれだけ不安か、本当に色々な意味で勇気がいる事です。
この号が発売する頃にはグランドスラムも終わっていますね。現在の女子世界チャンピオン鈴木未来選手がどんなプレイを見せてくれるのか凄く気になります!

今回は浅田斉吾選手に状況を聞きましたがそれは過酷でした。空港も街もお店はやってないのでパンをひとつ買うのにも苦労したそうです。そもそもドイツでの開催予定が10日前に急遽オーストリアに変更になりました。この急遽の変更をしてまでも何とか開催したPDCの対応力にも驚かされましたが、選手にとっても対応力が必要とされる旅になりました。
選手のみの移動は大変ですが特にこの2人は関西弁と博多弁?を武器に挑まなくてはなりません。これがどれだけ大変か、またドイツでは英語が通じない人も多いため大変だったとおもいます。
急遽の変更により欠航便が多い中移動時間は30時間近くかかり、帰りにいたってはドイツの乗り継ぎでお店も無い中17時間の待機があったそうです。
開催に関しては全選手PCR検査が行われ、徹底された感染対策の中で開催されましたが、逆に他国の選手との交流も制限されていたようで、時間の使い方にも苦労したそうです。
ホテルではコロナ禍では色々なサービスが行き届かなくなります。お湯を沸かすのも大変。まさにサバイバル状態です。街にも人はいないので観光地も閑散としていたそうです。外出は夕方6時までですが外に出ても何もないので2人で散歩…。なんとも言えない光景ではありますが、貴重な経験であることは間違い無いですね。
テロが前日にあったりと日本からも本当に心配していましたがワールドカップ組は無事に帰って来てくれました。こんな状況下でも行って、みんなの期待を背負い過ぎていつものパフォーマンスを発揮できなかったのですが、これも2人にとって凄い良い経験になったと思います。また進化が見られるのが楽しみです。
後に続くグランドスラムとワールドチャンピオンシップの代表も安全に頑張って行ってきてもらいたいです。

■日本でも世界でも始まった大会の新しいカタチ!
WDFが主催したオンラインワールドカップもその一つです。これも結果から申しますと、鈴木未来選手が日本人ではトップ8で日本人最高位!
JSFDからは饗場克也選手、小川祐一郎選手、鈴木未来選手、佐藤かす美選手の4名が選抜されました。
この内容に関してはJSFDの理事でもある酒井さんがコラムでお伝えしていただいていると思いますので端折ります。
Lーstyleとしてはイギリス代表のファロン選手が女性チャンピオンになりました。しかも決勝の相手が若干13歳のロシア代表だった事に驚きました。
慣れないオンライン対戦という環境ではなかなかいつものパフォーマンスを出すのは難しいと思いますが13歳の天才が現れて世界は本当に広いなー、と感じました。

そのほかにもハードダーツを自動計算してくれてオンライン対戦もできるFIDOダーツがオンラインカップを開催、これは定期的に行われ、見ているだけでも興奮します。
もちろん家にFIDOダーツを置くのは難しいかもしれませんが少なくとも県を越えないで、近くのお店でできるこの大会は凄く画期的だと思います。
リーグや大会が中止する中、こんな形でダーツファンの皆様を始め、プロ選手、メーカーが色々な方法でダーツの歴史を繋いでいる事に感動しました。

最初に書きましたがワクチンはじめ人類がコロナに勝つ光も見えて来ました。あと少しなので焦らずに耐えて、ストレスの溜まるこの時期をダーツがストレスを発散するアイテムとして活躍してくれたら嬉しいです。

早くダーツファンの皆様に会いたいです。ダーツをはじめ色々なことを繋いで、コロナに負けずに共に頑張りましょー!
私も過激で素敵な作品の発売を予定しており、これからどう乗り切るか挑戦したいと思いますので今後もよろしくお願いします!