2021年11月
・PDCツアーカード
PDCツアーカードとは、年間で20回以上行われるプロツアーの優先出場権を得る事が出来るカード(資格)だ。
このツアーカードを獲得する方法は、Qスクールを突破する事・UK/EUチャレンジツアーでランキング上位2人に入る事・UK/EUデベロップメントツアーでランキング上位2人に入る事だ。
更に、毎ワールドチャンピオンシップ終了後、PDC賞金ランキング(オーダーオブメリット)64位以内に入っているプレイヤーには自動的にツアーカードが授与される。
では、ツアーカードを持っているプレイヤーが、ワールドチャンピオンシップ終了後に賞金ランキングで65位以下になってしまった場合、どうなるのか。
それは、ツアーカード失効の可能性が発生するのだ。そして、ツアーカードを失効するのは、ツアーカードを獲得して2年が経過するプレイヤー達だ。これはツアーカードの効力が2年で切れてしまう為である。その為、賞金ランキング65位以下でも、ツアーカードを獲得して1年のプレイヤーはツアーカードを失効しない。
・2022年度失効の可能性がある選手達
PDCツアーカードを2022年度には失効してしまう可能性のあるプレイヤー。その中から、日本国内でも有名なプレイヤー、過去活躍していたプレイヤー、これからに期待できるユースプレイヤー、何人か紹介しようと思う。
リサ・アシュトン（Lisa Ashton）
BDOワールドチャンピオンシップ（レディース）を過去4回優勝している女性PDCプレイヤー。BDO時代には他のトーナメントでも数々の優勝を果たしており、女性プレイヤーの中でも指折りのプレイヤーであることは間違いがない。
日本の鈴木未来選手とBDOのワールドチャンピオンシップ決勝やPDC Women seriesで対戦しており、見たことがある人も多いのではないだろうか。
2020年にQスクールを突破してPDCに移籍、移籍後も数々の有名プレイヤー達を相手に素晴らしいプレーをしていた。
中でも、今年度のPDC・UKオープンにて、アロン・ベニーをアベレージ100.3で倒すという快挙を成し遂げた。これは、女性プレイヤーによるTV放送試合における初めてのアベレージ100超えの試合であり、世界最高記録を打ち立てたのだ。
イェラ・クラーセン（Jelle Klaasen）
2006年にBDOのワールドチャンピオンシップを制しており、ワールドチャンピオンの肩書を持つクラーセン。
2007年度にPDCへ(元)相棒のMvGと一緒に移籍し、PDCワールドチャンピオンシップでは2016年に準決勝に進出、プレミアリーグにも過去2回出場、と輝かしい経歴を持っている選手だ。しかしながら、近年では目立った活躍が無く、年々ランキング順位が下がり続けてしまい、ついにツアーカード失効の危機に立たされている。
尚、MvGの”元”相棒と記載したが、過去にクラーセンの起こした性犯罪によって、今現在MvGとの交友関係は一切絶たれており、MvGからはステージ上で握手はせず、もちろん会話も無く、目すら合わせない程、徹底的に嫌われている。
ジャスティン・パイプ（Justin Pipe）
彼ほど特徴的なダーツの投げ方をする選手が他にいるだろうか？いや、いない。あまりに特徴的な投げ方なので、一度見たら忘れる事は出来ないであろうし、何かしらで見たことがある方も多いと思う。
実はこの投げ方は、30年近く前にパイプが起こしてしまった、右腕が3か月間麻痺してしまう程の酷い自動車事故が原因である。
そんな彼の面白エピソードは、2012年のワールドグランプリでケビン・ペインターと対戦した時、パイプが接戦を制した後、ステージ上でシャドーボクシングをした上、ステージ上で何回も逆立ちを繰り返すというものだ。ペインが若かりし頃にボクサーをしていた事から、このシャドーボクシングをしてしまったのだろうか（笑） 。ちなみに、相手のペインターは激怒してステージ上から去っていった。
ブラッドリー・ブルックス(Bradley Brooks)
ニックネームは” Bam Bam”。びっくりする程華奢なスタイルをしているブルックス、オッキの右端ギリギリに立ち、細く長い腕から放たれるダーツはとても綺麗にターゲットを貫く。
昨年度のPDCワールドユースチャンピオンシップで優勝しており、これからに期待しかないユースの一人。
他にも、ワールドチャンピオンシップでは、オランダのダーク・ヴァン・デュイベンボードと大接戦を繰り広げたり、ハンガリアンダーツオープンではエイドリアン・ルイスを破る等、素晴らしい活躍を見せている。
