Big Baby_column_Top-14

No.14 まだスタート地点 もっと精度が高くかつ僕らしいダーツができるように

2018年11月

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さて今年から始まったPDC AsianTour(PAT)も終わりました。
目標のランキング30位以内とBest8進出は何とかクリアして終えることができました。ランキングは27位でフィニッシュ。ギリギリですがクリアには間違いないことです。
そして何よりも日本人の中でも11番目と、積み重ねてきたことが間違いではなかったと思えてホッとしました。
もちろん来シーズンは目標を1歩先に進めランキングも20位以内でBest4を目指してやっていきたいと思います。
シーズンが終わり、僕の中ではメインツアーだったので感覚的にはオフですが、伸ばしたい技術や習得したいスキルなどはまだまだありますので、研究しなければいけません。
それにJDOツアーもまだまだ残っていますし、いろいろ次のPATに合わせて試していきたいと思います。
ツアーは全部で6試合でしたが、日本人の多くは5戦までの出場でフィニッシュされていました。
フィリピンの治安面での不安やメインツアーの試合との被りなど、いろいろなことがありますので致し方ないことです。

しかしこれだけは言わせてください。フィリピン最高でした。試合会場はあたかも本場のメジャータイトルかと思わされた立派なものでしたし、ソフトドリンクやスナック類はフリーです。しかもお酒も200円ほどだったので、他の会場と比べると試合で感じる環境面でのストレスはほとんどありませんでした。
日本人の僕以外の選手は会場のホテルへ泊まっていましたが、部屋はとても広くて過ごしやすそうでしたし、何よりもエレベーターを降りれば会場なので至れり尽くせりでしょう。
僕の場合は近くの一泊3000円ほどのホテルに泊まりましたが、それでも不満に感じることはありませんでした。いつも通りwi-fiも借りてはいませんがホテルに備え付けられていますし、近くにはモールもあり食事にも困りませんでした。 そしていつもお世話になっているALOHA様のオーナーの友達ビリーに案内してもらったので安心、安全、日本語もペラペラです。本当にありがとうございました。
またフィリピンに行った際にはビリーと過ごしたいと思います。フィリピンについては灰田さんが様々な媒体で発信してくれているので割愛します。

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初めてのツアーを全ステージ戦ったことは僕にとってとても大きなものとなりました。何よりもイギリスへ行かずとも海外のツアーを回ることができたことはモチベーションを保ち上げることにとても重要な要素となりましたし、知らずうちに技術も上がってきたと感じています。
もちろんPATだけではなく様々なオープン戦で積んだ経験が活き始めたのかもしれません。ダーツにおいて自分の成長を感じることは簡単です。すべて数字に出てしまいますし、それが結果に繋がっていくからです。
アベレージでも最初の韓国ステージから、感覚的にも実数を見ても強くうまくなっていることは明らかでした。しかしこのまま順調にいかないのがダーツの難しいところで、たまたま調子にブーストがかかった状態になっただけかもしれません。
具体的に言えば10月上旬のマレーシアオープンから少し良い状態を感じました。通常であればその感覚というものを追っていったり戻そうとするのですが、僕はあえてしません。
その日の感覚はその日に置いてこようと。結局どんな状態で挑めるかわからないのが試合で、練習とは全く違う状態でダーツを投げなければいけないこともしばしばあります。

僕はトータルダーツとして型にはめることにあまりウェイトを置かずに、できるだけニュートラルな状態に戻して試合に入るということをここ数か月試していました。試合前のアップも普段であればダブルを打ったりしますが、最近はまず自分の体と会話して、今日はどの程度の状態かを把握し、その状態を0に戻すことから始めています。
そうすることによっていつもと同じルーティンでこなしていても、疲れや感覚の違い、抜け感などの微妙なズレによっておこるミスを減らすことができるのではないかと考えていたからです。
実際にミスの本数は減っていると感じていますし、何よりも一日の初めに自分の状態を受け入れているわけですから、余計なことを考えず集中度も増しました。

シーズンが終わり振り返って見ると様々なことが変化しているのだなと感じます。
僕はお酒を飲まないノンアルコールプレイヤーですので緊張も感じやすく、それを時に負けた原因として捉えていましたが、今回のツアーでは極度の緊張を感じることは少なかったと思います。
程よい緊張の中、それを受け入れてその状態でのベストを尽くすことに集中することで、普段の自分を出せる確率が高くなってきたのでしょう。いわゆる発揮力がついてきたのかもしれません。
だとすればあとは日ごろの練習での精度や数字を上げていくことが大切になってきます。最近はもっぱら一人での練習が多いですが、それでも技術は向上しています。ソフトダーツでもそうですが僕の考えではカウントアップをするプレイヤーほど巧く強くなれると考えています。

ようするに基礎練習の時間をしっかり取ることが大切なのです。スティールでも同じです。ダブルをどれだけ打つか、アウトの練習をどれだけ積むかが大切で、その上で集中して行い密度を高めることがスティールダーツでの基礎作りなのです。 僕の練習は対戦ではなく基礎練習ばかり、土台を固める作業しかしません。
実戦はリーグやJDOなどのオープン戦で積み、それをPATで活かしています。確かに全く実戦練習をしないかと言われたらそうではありませんが、しかし基礎練習といえども実戦的であることには変わりありません。
本当の基礎作りのための練習もありますが、伴って実戦的な気持ちや集中度で行うこともしています。スティールを初めて4年ほど経ちますが、ようやく形になってきました。

まだまだスタート地点です。もっともっと精度が高く、かつ僕らしいダーツができるようにこれからも頑張っていきますのでよろしくお願いいたします。