Vol.106 Peter Wright
コロナ禍の真っ只中で

2021年1月号

コロナで世界が苦しんでいる中、PDCプレイヤーはどうしているのか?
質問をいくつか送るとピーターから返信が来た。
世界チャンピオンありがとう!

UKでは、国全体で3月から長い期間ロックダウンが行われました。その時は何をされていましたか?
ディミトリ・ファン・デン・バーグが私の家に来ていたので一緒にダーツの練習をしていました。普段は別に住んでいて時々練習するぐらいなのですが、この時は彼は我が家の家族みたいな存在でした。自分たちで野菜も育てているので、庭仕事をたくさんしました。大きなビニールハウスも作りましたよ。
家にはシネマルームがあるので、そこに新しい光ファイバーライトを設置したり、ディミトリは何でも手伝ってくれました。役立つ男ですよ。

異常な状況下でどんな練習をしていましたか?
ディミトリはワールドクラスの選手なので、一緒に練習することができたのは、私にとって本当に良かったです。ダーツはやはり強い選手と対面で戦うことが重要なことです。彼は直後にワールドマッチプレイで優勝したので、彼にとっても良かったに違いありません。

どんなことを考えていましたか?
ダーツ関係者全員にとって昨年は本当に絶望的な年でした。ニュースを見ると世界中で起こっていて、すべての人が悲しみに打ちひしがれていました。
私にとって唯一良かったことは、いつも忙しくて家にいることが少ないのですが、家族と過ごす時間が増えたことでしょう。

現在のダーツシーンについてどう思いますか?
たくさんの新しい才能ある選手が登場していますね。今の難しい状況は逆にPDCを目指す彼らにとっては、チャンスなのかもしれません。PDCはユースシステムやチャレンジツアーなどいつも多くのトライできる門戸を開けています。
時々彼らのダーツを見ますが素晴らしいダーツを打ちますね。PDCがますますメジャーになって来ていることを肌で感じます。
日本の皆様ももっと来てください。厳しい世界ですが、楽しいこともたくさんありますよ。

日本ではプロツアーはすべてキャンセルされましたが、PDCは再開しました。これについてどう思いますか?
アジアンツアーのような一部のツアーが開催できなかったのは残念ですが、明らかにすべての人の健康と安全が優先事項になっているからです。PDCが行ったPCR検査の数は数え切れず、その他の感染対策もしっかりやって非常に厳格に管理して開催しています。
ダーツの火を絶やさないという強い意志が感じられますね。

PDCのステージは今までとはまったく違う雰囲気だと思いますが?
正直言って、ファンがいない会場は嫌いでした。空のアリーナで行われるのですが、スピーカーから流れる群衆の騒音に慣れるのには長い時間がかかりました。
オーストリアとドイツでのイベントにファンを呼び戻したときは素晴らしかったです。それがヨーロッパ選手権勝利のきっかけになったと思います。

PDCランキングにも大きな影響が出そうですね?
プレイヤーにとって良いことは、ほとんどのランキングイベントが行われていることです。苦しんだのはヨーロッパツアーで、特に夏、秋、冬のシリーズでは逆に全てのプレイヤーにチャンスがありました。ワールドシリーズができなかったのはとても残念でしたが、今年はそれを補うことでしょう。

最後にニューダーツライフの読者へのメッセージはありますか?
読者の皆様とそのご家族の皆様のご健勝をお祈り申し上げます。長年にわたる応援に感謝いたします。私はいつも日本に行くのが大好きで、また機会を作りたいと思っています。次にお会いできる日を楽しみにしています。

PDC World Championship 2019-2020 最初の優勝