Vol.17 ハロウズ チーム 来日

2006年1月号


左:エリック・ブリストゥ
中:ハロウズ社長 ロバート・プリングル
右:マーク・ダドブリッジ

ダーツがオリンピック種目になるかどうかで巷は湧いていますが、どう思いますか?
マーク…いやあ、楽しみだな。いろいろ紆余曲折は予想されるけど、是非、種目になるように応援したい。そして成功して、それを機会に世界でより認知されるスポーツになるように祈るよ。

エリック…どうかなあ?僕は可能性は全くないと思うね。80年代からプロプレイヤーとして生活してきたけど、ダーツというスポーツはオリンピック向きじゃないと思う。プロスポーツとして楽しんだ方が醍醐味がある。だって、ビールの飲めないトーナメントなんて想像できるかい?何でもオリンピック種目に加われば良い訳ではないじゃないか。ダーツはダーツならではの道をさぐっていけば自然に世界に広まると思う。第一、オリンピックに引けを取らない歴史があるんだから…。

ロバート…ダーツがオリンピックに参加できるかどうか、論じられるようになっただけでも評価できるね。スポーツとして認知されつつある証拠だと思う。僕としては大いに討論してもらって、結果ダーツプレイヤーの人口が増えて欲しいな。ダーツ界にとっては最大のチャンス到来なのではないか。英国ではダーツはメジャーだけれども、他の国の認知度はかなり低いというのが実情だからね。

最近の英国ダーツの事情は?
マーク…06年からは本当に忙しくなる。ほとんど毎週試合があるからね。身体の負担も増えるだろうから、よりプロとしてシビアな管理が求められる。でもタイトルも増えるのだから勝つチャンスも増えて、プロプレイヤーにとっては素晴らしいことだ。

エリック…まさにダーツに新しい時代が来たという印象だな。一昔前はダーツを投げて生活するなんて事は空言だった。ダーツが好きならば、誰でもそれで身を立てたいと思うのだけれど、それが今、まさに現実となっている。往年の名プレイヤーたちは感慨深いものがあるだろう。次の時代はどのように進化していくのか、楽しみだね。最近はテレビのコメンテイターばかりやっているから、またプレイ始めようかな。

ロバート…テレビ、新聞、雑誌などのメディアの力が大きい。やはりメジャーになるにはたくさんの人達の目に触れ、どんな形でもいいから報道されることだ。サッカーのように毎日トップ扱いのニュースにはならないだろうけれど、人々の興味を引けば、必ずそれについて、より深く知りたくなる。06年からのPDCのスケジュールは凄いね。期待も大きい。例えばトップの選手はやはりメジャーな試合に焦点を当ててくるだろうから、下位な選手はその他の試合でチャンスが広がる。賞金も増え、プロプレイヤーも潤うだろう。そして、プロを目指すプレイヤーが増え、競争が激化し、プロのレベルもさらに上がって行くはずだ。それを、メディアが報道し…とても良い循環だ。

日本のダーツの印象は?
マーク…こんなにダーツが盛んとは想像もしていなかった。今回は短い滞在だけれど、また来日したいな。何か大きなイベントがあったら呼んで欲しいと思う。

エリック…何回か日本には来ているけど、このブームは凄いね。この数年は毎年ヒートアップしているのでは?プレイヤーもめきめき上達している。次のステップはどのくらい根付くかということだろう。ダーツ界が尽力して知恵を出し合い、ぜひただのブームで終わらせないよう努力していただきたい。そして、特に希望するのはハードダーツプレイヤーの人口が増えて欲しいな。そうすれば、きっと文化のような形で残るようになるのではないだろうか。一度、ハードダーツの魅力に取りつかれたら、人はダーツを生涯投げ続けると信じている。そうなれば世界の舞台で活躍する日本人選手も現れるのでは。

ロバート…以前は数年に1回ぐらいしか来日しなかったが、最近は1年に数回来日するようになった。ようするにマーケットが急拡大していると言うこと。プレイヤーが増え、求められるグッズが増え、ダーツ界は大忙しだね。世界の中でもこんな状況は珍しい。どこも徐々に拡大するのが常なのだけれど。ダーツメーカーとしては当然大歓迎。世界のダーツの目が今、まさに日本に向けられていると言っても過言ではないという状況だ。私もダーツに携わる人間として、日本ダーツのために尽力は惜しまないつもりだ。