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No.16 世界チャンピオンになる方法!

2015年9月

まずはステイシーと私から募金に協力してくれた皆様に心から感謝します。
今回はラスベガスに、乳癌と闘っているPDCレディースのワールドチャンピオンシップの優勝経験者であるステイシーのお見舞いと皆様からの募金を届けに来ました。
募金に協力してくれたプレイヤーの人数は2000人を超え、募金額も1万ドルを超えました!アメリカは医療費がとても高く金額によって治療のレベルが大幅に変わります。皆様のおかげでとてもいい治療が受けられたのと同時にフェイスブック等での募金フライトの写真のシェアが彼女のメンタルにもとてもいい影響を与えました。
彼女はここ3年半で3度もの癌を繰り返してしまいましたが高度な治療のおかげで今は元気です。去年のジャパンオープンで初来日したのが2度目の癌克服の後でした。日本のプレイヤーの温かさや富士登山、京都観光をして凄く日本を気に入っています。だから今回の日本からの募金にはとても勇気づけられたようです。
簡単にステイシーの経歴を話します。彼女はPDCで歴史上一度だけ行われた2010年レディースワールドチャンピオンシップでアナスタシアやヘッドマンも出ている中、世界チャンピオンになった経験者です。2009年WDFワールドカップでも優勝、ワールドマスターズでも準優勝しました。
アメリカで2002年から5年間行われたPDCデザートクラシックのクリケットセッションでは5年連続チャンピオンになり、結局このクリケットゲームでの優勝経験者は彼女だけとなりました。
ダーツライブのカードを作った時も初めての癌の克服の後で、調子が悪い悪いと言っていた時のレーティングは何と17!どのくらい凄いか分かって頂けたかと思います。

そんな彼女に世界チャンピオンになる方法をインタビューしてみたのでお伝えします。
まずは世界チャンピオンになる人はどんな生活をしていてどんなタイプなのかをアラウンド90歳の今でも元気な父ちゃん母ちゃんに聞いてみました。

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J. ステイシーは子供のころどんな子でしたか?
母. 頑固で言う事を聞かないし負けず嫌い、育てるのは大変な子でした。スポーツは凄く得意でテニス、スイミングの飛込み競技、バレーボール、ソフトボールではインターハイクラスで、水泳の飛込み競技では多くの賞を取りました。ワンピースを買ってあげてもジーパンしかはかない男勝りなところがありました。勉強も得意で有名なUCLA大学に入学、博士号を取って弁護士の資格も取ったくらいです。

J. ダーツを始めた時、ご両親はどう思いましたか?
母. ステイシーのやりたいことだから最初からサポートするつもりでいたけど未だにルールが分からない。投げてみたけど的に全然当たらない。でもお父さんは当たったのよ!
とお父さん自慢をしていましたがホントは当たればいいわけではないのは伝えませんでした。続いてステイシーに質問してみます。

J. まずダーツが上手になるための大事なポイントは?
S. ダーツで一番大事なのは気持ちと集中力を高めること、つまりハートです。まわりで何が起きていてもボードと自分以外は気にしない集中力が大事です。後は反復練習で筋肉に動きを記憶させれば良いです。

J. 練習時間は?
S. 最初のころ毎日2時間は練習しました。仕事中もダーツの事考えていましたね。
レベルが上がった後はリーグを中心に試合形式の練習をしました。これはポールリムからの教えで常に大会だと思って短時間で本番モードに入れる練習です。わざとゲーム前は15分しか練習しませんでした。

J. 緊張はしないのですか?
S. 最初のうちは物凄く緊張していて初めての大会ではボードに届くのがやっとでした。
ただ30歳でダーツを始めたのですが2年後の1989年にはアメリカトップ16位になり翌年8位、その翌年には1位になり2012年に癌が発症するまでほとんどランキング1位をたもっていました。2位に落ちたのは19年のうち3回くらいかな?楽しいと思っていたら結果がついてきました。

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J. どの大会が一番思い出に残っていますか?やっぱり2010年PDCですか?
S. PDCは過去の栄光です。私は今の大会と未来の大会でいかに良いプレイが出来るかを考えているので昔の事は結果にしかすぎません。まあ思い出と言えばホントに2度目の癌克服の後、抗がん剤の影響で指紋がなくなってしまって苦しい時に出場したジャパンオープンです。優勝は出来なかったですが参加出来たことが嬉しかったし、トップ4に入る事も出来ました。

J. 大会の時意識していることは?
S. ダーツは長くやると常に勝つことはできません、負けるときは綺麗に負けるようにしています。

J. 綺麗に負けるとは?
S. 悔しい気持ちは家まで持ち帰ります。負けは結果なので、その時は相手をたたえることが一番大事だと思います。悔しい気持ちをバネに練習すればいいわけで、負けて悔しがっている人は強そうに見えないですね

J.なるほどクールですね!もっと聞きたいことは沢山ありますが最後に日本のダーツファンへ一言願います!
S. ダーツプレイヤーのみなさんゲームを楽しんで下さい!そして真剣になり過ぎないようにしよう!人生は短いから色々楽しむ事が大事でそれが良いダーツにつながるから!
今は癌の治療で調子が悪いですが、またプレイヤーとしてカムバックしようと思っているので、練習方法とか細かい技術はライバルのためにまだ教えたくない(笑)。
来年のジャパンオープンの後にもう少し秘密をばらそうかな。

J. もう少し秘密を知りたいから来年のジャパンオープンも元気に参加して下さい!
秘密を少しばらしてくれてありがとう、来年は日本で待っています!

L-style よろしくお願いいたします