Jinta_column_Top-25

No.25 ありがとうステイシー!

2017年3月

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2017年2月12日、親友で世界チャンピオンのステイシーが永眠されました。5年もの長い時間を癌と闘いました。彼女が送った人生は私のお手本です。
沢山のダーツプレイヤーにステイシー募金フライトなどで協力していただいたのでお伝えする責任があると思い今回はステイシーのお話をします。
彼女は亡くなる数日前までダーツに携わってダーツを広げる活動をしていました。ハウストーナメントのコントロールもしていました。発見したのもちょうどトーナメントの日にコントロールをするはずのステイシーが来ないことで心配になったステイシーの親友のShingoさんが、家に見に行ったのがきっかけでした。その時はまだ息もあって意識もあったのですが、その二日後に息を引き取ったのです。

最後までダーツに携わりダーツを愛して人を愛して愛された、そんな人生だったと思います。彼女のお葬式は涙と笑顔の絶えないお葬式で、彼女の人柄の良さが分かります。
そんなステイシーってどんなプレイヤーなの?と知らない方も多いと思いますので戦歴を並べます。主な戦歴だけでもこれだけあります。

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主な戦歴
2010 PDC 女子World Championship:優勝。2010年が初めてでそれ以降女子のWorld Championshipがなくなったため、女子ではStacyだけがPDC World Championであり、現在でもChampionであることになる。決勝ではTricia Wright, 準決勝ではAnastasiaに勝った。2010年の優勝のおかげで2010年Grand Slam of Dartsに招待される。結果は男子のMervyn King, Terry JenkinsとJohn Hendersonに負ける。

PDCの大会ではその他にLas Vegas Desert Classicで2003年に優勝(Hedman相手に)、2004年に準優勝(Trina Gulliverに負ける)

BDOでは1995年にWorld Mastersを準優勝、2009年にWDF World Cup Women’s Singlesを優勝。

ADOではアメリカ1位の年間ランキングを16回(そのうち13回は連続で)。アメリカのチームで12回(他にも招待されましたが本人が断ったこともある)、501のNationalチャンピオン(国内選手権優勝)11回、Cricket4回、World Cup出場8回(うちGold Medal4個)、World Masterのアメリカチームも8回。

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ソフトダーツも大好きで闘病が始まり最近ダーツの調子が良くないと言っていた時のダーツライブのレーティングは17でした。
LAで生まれたステイシーは南カリフォルニアの名門UCLAを卒業して弁護士の資格を取りますが、私立探偵になる変わった経歴。闘病前までは子供が好きなステイシーは学校の先生をしていました。
若いころはテニスや水泳、特に飛び込みの競技が得意で運動神経もずば抜けていました。ニックネームはThe Wish Granter(人の願い事をかなえる人)でステイシーのチャリティー活動を理由につけられました。
時間があれば地元の“Make a wish” でボランティア活動を行っていて募金活動も一生懸命やっていました。
人の願いをかなえる人というニックネーム。結局自分の病気の完治はかないませんでした。
しかし亡くなる寸前まで自分のやりたい事にチャレンジし成し遂げた彼女は、ある意味人生の願い事の大半をやり切ったに違いありません。

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一緒にラスベガス、ハワイで遊んで日本にも2度来ることができました。日本では2回ともこちらがへとへとになるくらい色々な所を観光しました。東京観光はもちろん京都、富士山、沖縄とかなりハードにこなしました。
去年の沖縄ツアーでは止めたのに船の2階からダイブ。しかも頭からです。その時はさすがに癌に侵されているのが嘘なのではないかと思ってしまいました。

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このように華々しく人生を楽しんだステイシーは幸せだったと信じています。もちろん彼女も弱ったところを見せたこともあります。富士山で見せた涙は忘れられませんが、いちいちカッコいい女性でした。

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今年TEAM L-styleはJAPANとTHE WORLDで年間チームポイントが1位になる事が出来ました。5年連続というのはみんなの素晴らしい活躍のおかげですが、いろいろな選手の人生が折り重なって続いているのだと実感しました。

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1位を取るのも大切なことですがそれ以上に大事なことは沢山あります。成績が出ていてもプレッシャーで飲みすぎたりして体を削るのは見ていてつらいです。もちろんそれぞれのスタイルがありますが才能のある選手が若くて焦るのは心配です。
こちらが出来る事で一番大事なのは楽しく目標を持てる環境を作ってあげられることだと思いました。息の長いスポーツですので是非健康も考えて長くこのスポーツを楽しんでもらいたいです。

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ステイシーに教わったことはたくさんあります。いつも癌の検査結果が悪いと「良くならなくてゴメンね!せっかくいろいろやってもらっているのに」と逆にこちらに気を使う人でした。自分は沢山の人の人生なんて見られませんが、少しでも多くの人に感謝されるような人生を送りたいとステイシーに出会い思いました。

本当に沢山の楽しい思い出をくれて沢山の人生勉強をさせてもらったステイシーに心から感謝しています。

L-style よろしくお願いいたします