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No.4 「I’m in a mess!」

2013年9月

9月に入ってもまだまだ真夏のような日が続いています。この時期は凄く暑かったり、そうかと思うと突然涼しい日があったりして、体調管理が大変ですよね。最近色々なプレイヤーのお話を聞くと、何よりも体調管理を一番に考えている方が本当にたくさんいて驚きます。ダーツはやっぱり身体が資本ですからね。
いくら体調管理は万全でも、人間ですからダーツが思った通りに投げられないというのは良くあることです。そんな調子の出ない時、「やっちゃたな!」というような表現として使えるのが今回ご紹介する、「I’m in a mess!」です。messというのは日常で良く使われる言葉ですが、元々は「めちゃくちゃで混乱している」とか「窮地、ピンチ」という意味があります。つまり、「I’m in a mess!」と言ったら、「今自分は大変な状態だ」という意味があるのです。
ただ面白いのは、この表現にはダーツ用語として特別の意味もあって、プレイ中に「I’m in a mess!」と言ったら、上がろうと思って投げたダーツが思わぬ悪い組み合わせの点数になってしまい、次にダブルで上がり難い奇数の小さい数字が残ってしまうことを指すのです。ですから、この言い回しは普通の時に使うと、「まずいことになっちゃった」とか、「もうだめ」というような意味になりますが、ダーツをプレイ中に使うと上記したような意味になり、ちょっと違うニュアンスになるんですね。勿論上がろうと思って、最後に小さな奇数が残ったりしたら、試合としては結構まずいことになっている状態というのが多々あるでしょうから、根底に流れる意味としては同じと言えるのかもしれません。
この他にもmessを使って「make a mess」や「mess up」という表現もあり、これ等には何かを台無しにしてしまうというような意味があります。台無しとは言っても、あんまり深刻でない状況でも、この言い回しは気軽に使われているんですよね。私が大学生だった時、試験の後には皆必ずこの表現を使っていました。でも実際には皆ちゃんと合格してましたからね。まあ、日本でも試験の後は大抵の人が「ダメだった」とか「失敗した」とか言いますから、それと同じ感じでしょうか。勿論、意味通りに深刻な状況でも使う表現なので、対応はその場の空気を読んでからにしてくださいね。
「やっちゃった」という表現でもう1つ良く引き合いに出されるのが、「Oops, I did it again!」でしょう。これはアメリカの歌手であるブリトニー・スピアーズが2000年にリリースして世界的に大ヒットした曲のタイトルなので、憶えている方もいるかもしれません。この言い方のほうは「oops」と「again」がついているので、「おっと、私またやっちゃった」という意味になるんですね。ただ、「I’m in a mess!」と違って、「did it」というのは別に悪いことに限らず、ただ「何かをやった」という意味しかありません。ですから、「Oops, I did it again!」では「oops」(おっと!という意味)と「again」(またもやと言う意味)が文の中にあるので、あまり良い事をやったのではないだろうと推測出来るのです。こちらの表現は何度も同じ失敗をしたときなどに使える言い方です。
どんなプレイヤーだって試合を「mess up」したいと思っているわけではありませんから、今回ご紹介した表現は使う状況が来なければ一番良いということになります。でも、主語のI(自分のこと)をYou, He, She, They(自分以外の人)に変えれば、実は結構ダーツの試合を見ている時などにも良く使われる言い回しなんですよ。 機会があったら英語の解説がついたダーツの試合を見てみてください。早速この表現に出会うかもしれませんよ。