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No.11 ダーツ上達のために「投げる」以外に知っておきたいこと

2017年5月

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今回のテーマは、ダーツ上達のために『ダーツの固定観念』について考えてみたいと思います。固定観念の意味を調べてみました。

固定観念(こていかんねん)は、固着観念(こちゃくかんねん)とも云い、心理学の用語で、人が何かの考え・観念を持つとき、その考えが明らかに過ちであるか、おかしい場合で、他の人が説明や説得を行っても、あるいは状況が変わって、おかしさが明らかになっても、当人がその考えを訂正することのないような観念を指す。(出典:ウィキペディア)
僕がダーツを始めた十数年前、トッププレイヤーの試合を見たいと思ってもなかなか目にする機会がありませんでした。デジタルダーツマシンが設置され始めた頃でしたので、投げ場も少なく、ダーツバーなどで投げるにもお金が続かず、投げる量の制約の多い中で練習をしていました。

しかし、ここ数年はダーツのハウツー動画やトッププロの試合など、DVDや動画サイトなどで簡単に見ることができるようになりましたし、また時間制の店でたくさん投げ込むことによって短期間で上達する人も珍しくありません。投げればどんどん上達していき、自分自身が目に見えて成長していく実感があるうちは本当にダーツが楽しくて仕方ないことでしょう。上達している自分自身がダーツを投げるモチベーションになっているのだと思います。

上達への手段が数多く簡単に選択できることは大変素晴らしいことです。しかし、自分が選んだ「上達方法の道」が本当に自分に適しているかどうかは別だと思います。

この手段なら上達できそうだと思う事があれば練習しようと思うでしょうし、自分のダーツに何らかの気づきがあればそこを修正しようと投げたくなりますよね。

気づいた時に修正をかけるように、練習方法や参考にするものも時間とともに変化したり、変わっていくものだと思います。その過程で、過去に行った練習方法や考え方が間違ったものになってしまう可能性もあると思います。自分が行った練習を否定するのは難しいですが、自分の中に固定観念が存在することを知ることもダーツの上達には必要だと思います。

例えば「目の前で構えたところからなるべくテイクバックしないで直線に飛ばせば狙ったところへ飛んでいく」とか。理想論なので「それができれば一番いい」みたいなもの。極論かもしれませんが、ダーツを始めた時は、みんなそういった『理想論』からスタートしているんじゃないかと思います。でも、地球には重力があって「ダーツは落下する」ということに投げていると気づく人もいます。または、どこかで無理を感じたり無理を通そうとする自分に気づいたり、人から指摘してもらったり。少しずつ理想論と現実論を擦り合わせていく作業の連続なんだと思います。
上達の早さを左右するものはきっと、いつどうやって「気づきを得るか」ということなんだと思います。自分自身でその気づきを早く多く得るにはどうしたら良いのでしょう。もちろんたくさん投げてダーツに触れ続けるのが良いとは思いますが、それだけでは更なる上達は難しいのではないでしょうか。

僕はそのような気づきを促すものの一つが、『ダーツを投げていないときに何を考えているか』という事だと思っています。これはダーツ以外の分野からいかにダーツに使えそうなものを拾えるかということ。
ダーツが他のスポーツや、特にスポーツ以外でもいろんなカテゴリーを応用して上達への方法が考えつくことがあるんじゃないかと思っています。

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少し話はそれますが、広島県福山市に「紙飛行機博物館」があります。博物館へ行ったことがある人から聞いたエピソードがとても面白かったので紹介します。

館長さんに「紙飛行機の上手な飛ばし方」を聞いたところ、「ダーツを投げるように投げるといい」と言われたそうです。

ダーツを投げる説明で、「紙飛行機を投げるようにダーツを投げる」という話はよく使いますが、全く逆パターン。ダーツ経験者からすると「本当?笑」と疑いたくなるような話ですが、これが本当かどうかの真偽を問う話ではありません。

紙飛行機を飛ばすといったダーツとはかけ離れた遊びや動作の中に、感覚のヒントは隠されていることって多い気がします。

「投げる」という動作だけの話をすれば、紙飛行機を投げる・野球ボールを投げる・バスケットボールを投げる・槍を投げる・フリスビーを投げる・砲丸を投げるなどなど、投げるものもいろいろあって、それに伴う身体の使い方や物理的な作用も違ってくると思います。

ダーツとは違う分野のものだとしても、少しでも関連があるかもって思ったら、その技術や原理のメカニズムを深く考えて調べてみることをオススメしたいです。

さらにダーツからかけ離れたもので例を挙げてみると、指の使い方が器用になりたいと思ったらピアノの練習方法について調べてみるとか、ブルース・リーの映画を観て、「予備動作の少ない中で繰り出される強烈なパンチは、少ないテイクバックでダーツを力強く投げられる方法に使えるのではないか?」とか。

ダーツの上達に使えるかもしれないというアンテナを日々張り巡らしていることで、「ダーツのために何か」、「何かからダーツ」といった形で、他の分野から応用できるヒントをもらえるかもしれません。一見遠回りのような気もしますが、ダーツを投げているときに感じるものにも幅や深みが出てくるはずです。

ダーツを上達させるヒントになるものは日常の生活の中にもいっぱい眠っているかもしれませんね。