2016年1月
30代の頃から毎年健康診断を受けているのですが、今回は昨年の11月に受けてきました。
血圧と血糖値といった、いわゆる生活習慣病に関係のある数値が正常値よりも高い結果でした。
ここ数年同じような数値だったので気にもとめずに居ましたが、最後に医院長先生と話しをして2日後に再度病院に来るように指示をされ、2日後の成人病の専門医と面談でいきなり血圧と血糖値を下げる薬を飲むようにすすめられます。
しかし薬は一度飲むとなかなかやめられないので、薬を飲む事を拒否してダイエットをしてしばらく様子をみる事になりました。
ダイエット自体は5年前に糖質制限でやっているので出来なくはないんですが、生活習慣をそれに合わせて変えなくてはならない事が非常に面倒なんですよね。
だから生活習慣病なんて名前なんでしょう。
まあ、そんな流れでここ2ヶ月色々と生活のスタイルを試行錯誤しています。
その日からダイエットを開始し、このコラムを書いている時点までで8週間で丁度8キロの減量。
体重と血糖値はコントロールできるのですが、問題は高血圧です。なかなか目に見えて減りませんね。
ダイエットしてダーツに何かプラスの効果をもたらすか考えてみたのですが、取り立てて何かあるようにも思えません。
海外の選手を見て体格の大きいダーツプレイヤーの事を「ダーツ体型」などと言ったりもしていましたが、ダーツ体型でなくなる事は実際には何の問題でも無いでしょう。
それよりもダイエットメニューの中にウォーキングを取り入れている事が、今のところはプラスになるんじゃないかと考えています。
ウォーキングを始めてから「しっかりと立つ」が以前よりもちゃんと出来るようになってきました。
接地感やバランスが自然に意識できるからだろうと思っています。この「しっかりと立つ」はダーツをするにあたって「狙う」と同じくらい重要だと考えているのですが、この「しっかりと立つ」って事がなかなか難しい。
お店で投げているお客様を見ているとそれが出来ていない人が多いですし、プロトーナメントを見に行っても「バランス悪いな」、「立つって事に全く意識ないな」と思える選手が多いんですよね。
初めてダーツをする人は意識しなくても当然ですが、ちゃんと立てているのに、ダーツを本格的にすればする程しっかり立てなくなるから不思議です。
「腕をこう使おう」「こう投げよう」と出来ない事をしようと上半身に力が入り、下半身のバランスや状態が崩れてくるんでしょう。
イップスの方やイップス気味の人を見ていると大抵の場合しっかりと立てていないように見えます。
特に後ろ足の使い方が下手ですよね。バランスよく立てていないから投げる時に身体が大きく動かないと投げられず、身体が大きく動かないように後ろ足でバランスを取ろうと力を入れて踏ん張ろうとしています。
ここからは五十嵐さんに教えていただいた話ですが、右手と左足、左手と右足は互いに連動していて、足の方が力を入れて筋肉収縮をしているのに、投げる腕だけ伸ばそうと弛緩するなんて事は出来ないんだそうです。
確かに自分がイップスだった時がこれにあたるんですよね。
できるだけ上半身を前に出そうとするとバランスをとるために左足に力が入ります。
そうするとテイクバックは出来るんですが、腕を伸ばすという動作が出来なくなる。
ダーツを投げた後に後ろ足がピョンと上る人居ますよね。
本当はあれって先程の右手と左足の連動から自然に起きることなんです。
「足を上げないように」なんて教えている人が居ますが、自然な事なのでそれを止めさせる方が本当は良くないんですよね。
もう少ししっかり立つ事の重要性を。日本のトッププロやPDCのプレイヤーを見て、投げている時に身体が大きく動く人ってあまり居ないですよね。
でもこれも全く動いていないんじゃないんです。
ダーツという物体を飛ばすためにエネルギーを与えているんですから、必ずそれに対する身体への反作用はあるはずです。
でも身体が動かないように見えるプレイヤーは、しっかり立てているからダーツをターゲットに入れるために最適なパワー出力をしていて無駄な反作用が少なく、下半身がしっかり立てているから上半身でそれを全て吸収できているのでしょう。
逆に身体が大きく動くプレイヤーは、しっかりと立てていないため、距離感を含めしっかりと狙えず無駄な出力をして反作用が大きくなり、上半身が動かないように頭の中に意識はあるから下半身まで使ってバランスを取る事になっています。
上手い人達はしっかり立てているから身体が動かないように見えるだけであって、身体が動かないように意識しているわけでは無いんです。
人間の身体って不思議なもので、しっかりと立てないと狙うって事も自然と疎かになるんです。
極端な例ですが波に揺れるボートの上から物を投げてターゲットに当てられると思いますか?
立つ事に自然と意識がいって、「狙う」って事は出来なくなりますよね。
狙うって事をしたいのに、身体はそれ以上に立つって事に自然と感覚を使ってしまうんです。
ダーツ会場はボートの上ではありませんが、普段は両足でバランスよく立っているのに、ダーツを投げる時になるとバランスの悪い立ち方をする人が多いんです。
本人は普段と同じことをしているから気づきませんが、そういう人は肩を少し押しただけでバランスを崩すので直ぐに分かります。
普段から身体は自然に「狙う」ってことよりも、「この状態を維持」しようとボートの上と同じように感覚を使っているんです。
そんな狙えていない状態で投げても入る率は落ちますし、身体が動くのも当然ですよね。
自分の店イマジンでは、5年位前から竹山大輔にダーツ講習に来てもらっています。
ダーツを教えてもらっていますが、一番しっかりと教えてもらっているのは「ちゃんと立つ」事。
ちゃんと立てるようになると急に入りだす人が時々居るから面白い。
覚醒したかのように入りだすんですよ。でも、ちゃんと立つって事は意識していないとなかなか出来ず、日が経つと立ち方が変わっているんですよね。
入らなくなり助言を求めてくるので、立ち方を修正すると「あれ、入る」と本人が言うくらい入るんです。面白いですよ。自分も少し前は立ち方がずれていっても気づかなかったのですが、最近は「バランスが悪いな」「重心の位置がちょっと違う」と気づくようになったので、自分で修正がかけられるようになりました。ダーツを投げる時は今まで以上に「しっかりと立つ」を意識してみてください。
おっさんなので激しいトレーニングはしませんが、ウォーキングで身体の感覚が変わったりダーツに役立つようだったら、またここで報告したいと思います。