Sakai_column_Top-34

No.34 最近は根拠のない自信が大事だなと思っています

2016年11月

今年もPDCワールド・ダーツ・チャンピオンシップに挑戦する日本人プレイヤーが決まりましたね。
例年会場に行って応援観戦していたのですが、今年はイマジンの常連さんの結婚式の二次会があったり、色々とバタバタしていて仕事しながらPCでの観戦となりました。

優勝した知野真澄はようやく、といった感の優勝でしたね。
2014年も関係者の多くが真澄優勝を予想する中、決勝戦で勝ちを手にしたと思えた状況から、するりと手の中から勝利がこぼれ落ちてしまいました。
本人も周囲の方にとっても悲願だったと思います。
私が彼を初めて見たのは正確な年度は覚えていませんが、およそ10年前のAKDOの大会会場でした。
まだ彼は未成年だったんじゃないかと思いますが、福田輝彦さんに「将来日本のダーツ界を背負って立つ男だよ」と言われてじっくり見たのを覚えています。
そう、全国的に有名になる前から関東の関係者の間では期待されていた選手なんですよね。
その後DーCROWNやパーフェクトで活躍するわけですが、彼の持つポテンシャル、周囲の期待の大きさ、そして「世界で」と考えると、個人的には歯痒さを感じていたのも確かです。
その知野真澄がPDCの舞台に立つんですからPCの前でしっかり応援したいですね。

今回はPCでの初観戦でしたが、思った以上にPCで見ても面白かったですね。試合内容も接戦が多くて面白かったのも好印象です。
が、PCで見て十分楽しめただけに会場まで足を運ぶ程なのかと考えてしまいます。勿論会場の雰囲気・盛り上がりは会場でないと味わえないものですが、PDCをPCのモニターで見た場合と会場で体感する事の大きな差に比べると、些細な差に感じてしまうんですよね。
地方から交通費をかけて向かうとなると尚の事。

近年他のプロスポーツは観客動員数を増やしています。
プロ野球も数球団を除き観客動員が増えていますし、バスケットボールもBリーグ誕生により観客動員が増えています。
プロ野球も何もしないで観客が増えたわけではありませんし、Bリーグも発足しただけで観客が増えたわけではありません。
各チーム、リーグ全体で観客を増やす為の工夫を色々としています。
ただ、観客を増やす為の施策を年に1度開催のPDCチャレンジでやろうとしても非常に難しいと思うんですよね。
そこはやっぱり年に20戦近く開催するソフトダーツの両団体が、見てもらうって事を真剣に考えていかないと、無料動画を見るのが当たり前で、選手への賞金はダーツ業界内から集めるだけの現状がずーっと続いてしまいます。
もっと何か考えていかないとまずいと思うのですが、団体競技の方が観客は集めやすいのかなとも思います。
ユニフォームだったりグッズも選手やチームで作れますし、敵と味方に分かれる構図がわかりやすく応援も盛り上がれますしね。
個人競技でいえばダーツのずっと先を行くゴルフも近年は国内で大会減・観客数減・視聴率低下が問題になっているようです。
しかしゴルフも海外のPGAツアーは観客が増えているんですよね。
競技レベルの問題もあるのでしょうが、スポーツ観戦に関する国民性の違いを考慮したイベント作りを個人競技は団体競技以上に考えていく必要があるのでしょう。

ここ最近SNSやブログでプロ選手のイベントが集金イベントに成り下がっていると批判的な記事を目にします。
自分でもお店を経営しているので、「上手くやっているな」と思う部分と「少々嫌らしい感じ」がする部分と個人的には色々な思いを持っていました。
はい、僻みです。個人的には勝てないプロがお店に立つのはいいと思っています。食べていく必要があるんですから。
ゴルフでもボーリングでもレッスンプロが居ますからね。
でも、トッププレイヤーがお店に立つ状況、イベントがメインの仕事みたいな状況は何とか改善したいですよね。
ファンがイベントに来る理由は分かるんです。近いし、SNSで友達申請も出来るし、話せますし。
でも、本当はイベントじゃなくて、自分のプロでの試合を見に来てもらえるように出来ないものかなあ?
プロレスが好きな選手や関係者は多いからわかると思いますが、全盛期のアントニオ猪木や長州力は開場時間以降は自分の試合まで観客の前には姿を現さなかったですよね。
商品価値を理解したら当然の事なんですよ。だからといって現状選手に店に立つな、イベント減らせと言っても生活がありますしね。
これには選手がどうこうじゃなくて、業界全体のシステムを変えないとね。
賞金額が今の10倍になれば、イベントするよりも身体のメンテや練習に時間を充てるようになるでしょう。その為にはプロトーナメントを人に見てもらえる物に作り上げて、外部からのスポンサーが必要になりますね。
人が集まらないトーナメントにスポンサーはつかないでしょうし、ライブハウスのバンドのように、選手がチケット売るところから始めるのもやっぱりありじゃないのかなあ?

ここから話題を変えて。
前号で書いた「ダーツは脳でする」が思った以上に反響がありました。
肯定的な意見、もう少し詳しくなんて話もありましたが、耳には入りませんでしたが否定的な意見の方も居るでしょう。
勘違いして欲しくないのは「あそこに入れる」と思えば全て入るわけではなく、常に同じ集中を保ってその精度を高めていく必要があります。
精度が高くなければいくら脳で思い狙っても確率は下がります。確率を上げる為に質の高い練習が必要になるわけです。

「ダーツは脳でする」から続く話ですが、最近は根拠のない自信が大事だなと思っています。
プロで活躍している選手はしっかりとした練習を繰り返し、試合の大事な場面で自信が持てるように日々練習し努力しています。
そう、自信は凄く大事です。自信が持てればフィニッシュのダブルも入る確率が上がりますし、逆にネガティヴな「入れなきゃ負けちゃう」「このダブル自信ない」と思えばやっぱり入らないでしょう。
プロ選手の場合は、練習は本番に対する当然の努力ですから練習で自信を持てるようにする事が大事ですが、我々くらいの練習も程々程度にしかしないアマチュアプレイヤーは、根拠のない自信が凄く大事だと思うんです。
「根拠のない自信」と言うと少々アバウト過ぎますが、「不安にならない事」と言い換えれば分かりやすいですかね。
私の身の回りの事でハードダーツのリーグ戦の話しをしましょう。
たぶん、ハードダーツのリーグ戦をしている人だと経験や感じた事があるんじゃないかな。
長野ダーツ連盟のリーグ戦も今年でようやく4年目です。
最初の2年間はプロ選手も居なく、なんとなく私のチームが優勝していました。昨年からプロ選手を中心としたチームが2チーム参加し、優勝争いが三つ巴の状況になりました。
プロの選手ですから私達よりも練習はしていますし、シュート力も高く今までよりも全体のレベルが上ったのは確かです。
しかし、ソフトダーツだと彼らに勝てる確率も低くなりますが、スティールダーツだとアレンジや集中した時のダブルの決定率でなんとか勝負になっているのが現状です。
その2チームとやる時はやっぱり気合を入れて試合に挑むんですが、実は嫌なシチュエーションがあるんですよ。
それは対戦相手にハードダーツ未経験者のそこそこ打てるゲストが居た時。
レギュラーメンバーよりもあきらかにシュート力が落ちる場合はそうではありませんが、そこそこ打ててしかもハードダーツをほとんどやった事がないゲストが居ると本当に嫌です。
ダブルをソフトダーツと同じように決めてくるんですよね。
もうちょっと気負えよと苦々しく思うんですが。
ハードダーツを長くやっていると、点取りは良いのに急にダブルが入らなくなった経験がありませんか?20本くらい投げてもダブルが入らなくて負けちゃったりとか。
「ダブルの怖さ」と言う人もいますが、多くの人がそれを経験していると思います。
それからはダブルが細く感じたりとか、入らないんじゃないかと思って不安になったりとかするんですよね。
でも、そのゲストのプレイヤーはそんな経験が全くないから、頭の中では「ソフトダーツのボードより狭い」と認識はあってもソフトダーツと近い感覚で点取りもするし、ダブルも決めてくるんですよね。ハードダーツの初心者は非常に厄介ですよ。なので相手チームにゲストが居ると嫌な気持ちになります。
ただ、そのゲストもハードダーツが面白いと思ってメンバーになってみると、「ダブルの怖さ」を経験する事になり一時的にですがダブルが苦手になったりするんですよね。
今イマジンで投げ子をしてくれていてパーフェクトに参戦している二茅も初めてリーグ戦にゲストで来た時は15ダーツで勝っているんです。
その後リーグ戦に参加する事になったんですが、一度ダブルで手こずる事があった辺りから一時期ダブルが入らなくてしばらく悩み気味でしたね。
本当は練習に裏打ちされた自信でダーツを出来ればいいんですが、心技体揃う事なんて少ないですから「根拠のない自信」で「これ入る」「決められる」「勝てる」と思う事が大事だと、先程リーグ戦で負けて帰ってきた私が思っています。

ダーツ屋どっとこむ よろしくお願いいたします