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No.39 もう一度全体的なパイを増やす時期

2018年3月

本誌が15周年だということで、僕のコラムも何年やっているか忘れましたがとりあえず15周年おめでとうございます。

この15年を振り返るのが、15周年らしいコラムなんでしょうなぁ。
創刊号から知っているということは、なんだかんだと僕も少なくとも15年はダーツに関わっているわけですから、なんかあっという間の出来事というべきなんでしょうねぇ。
まさかここまでダーツに関わっているとは自分でも思わなかったし、その間に仮想通貨クラスの浮き沈みの激しい業界であったことは周知の通り。
今、安定しているわけでもなく、何かの大きなテコ入れが必要な時期であるはずが、いまいち15年前と同じ手法でプロモーションを続けているものが多いなぁと思うのが実感。
それは継続という、良い意味ではなく手詰まり感が半端ないんですよね。苦し紛れの打開策がダラダラと続いている感が否めなく、今だに「ダーツ界全体の自転車操業」が続いているわけですから、むしろまぁよくもっているものだと。

フィールドが二分化されている時点で、ダーツ界全体のプロモーション力も二つの特色のあるセレクトできる世界観ではなく、威力が半減している状態ですよね。
もう15年経ったんだから、ビジネス上のしがらみや覇権争いは置いといて、共通化されたプロモーションが必要ではないかと思います。
このままだと、萎んでいく一方で諸外国には特に近隣アジアには今だ「ドル箱」的に扱われている日本ですが、内情はそうでもない。
日本の培って来たというべきか、日本人らしいプログラムを取り入れた近隣の国々があるわけで、でも実際にはその国のプロモーションも日本の失敗した部分もなぞったように組み込まれてしまっていて崩壊しつつある。これも、ビジネス上での覇権争いが原因というのが多いんですが、とにかく纏まりませんよね(笑)。
そりゃ、側からみていたら面白いでしょうね、この業界。毎年何かが起きるわけですから。但し、それは先に繋がるプロモーションもある中で、僕から言わせたらほとんどがスキャンダルネタに近い企画。
脱線しますが、PDCが今年から行うアジアツアーは先に繋がりますよね。ある経緯でああなったにしても、アジアとしての広い枠組みで捉えるのは先に繋がりますし。
勿論、戦国時代のように領地拡大がビジネスに繋がるわけですけど、もっと大きな枠組みの組織を形成する必要性があるのではないかと思います。
そう考えると、相当ダーツバーが置いてけぼりにされている感じが否めないんですよねぇ。
一時期、猫も杓子もダーツバーやればそこそこ収益が取れる時代があった。そして、それを時代に淘汰されて今ではそれなりの適正数に減って来ているとは思います。ダーツを始めるのならば、ダーツバーよりも漫画喫茶的な場所で始めるのが最も楽でお金が掛からない。
ダーツバーにわざわざ行く必要性がなくなったわけですから、ダーツバーの変化というのも確かに最優先課題なんですけど、その地域にダーツを広めることが出来るのは、やはり人とのコミュニケーションが必要。
SNSという簡単で楽なものがコミュニケーションツールとして一般的に使われているのは進化。でも、それを手軽な広告媒体と勘違いしている店が多いのも事実。
結果的に、今のダーツの普及だってダーツバーが起こしたことですから。あの頃にもちゃんとダーツ場的なものはありましたしね。でも跳ねなかった。そのかわりダーツバーのスタッフやオーナーさん達がその地域毎に普及させていった形が原型で今があるわけで。
SNSの前に店のコミュニケーションがあり、その後にSNSの役割があり、そしてそれがうまく生かされる。
今、どの辺りを弄ればもう一段階発展するのか悩んでいる人っているんだろうか?
広い視野で見られている人が何人いて、それがこの業界を牽引する委員会を作る必要性を感じていて、もう一度ユーザーを掘り起こすアナログな作業をしなければならないと気づいている人は、偉い人達の中で話し合われている懸案事項になっているんだろうか?
あの頃はまずは「ダーツバー」優先で考えられていた時代あったなぁ。今は確実にそうではないですからね。
勿論、漫画喫茶やダーツ場が悪と捉えられると本題から外れてしまいます。
爆発的な人口増加を担ったのは満喫やダーツ場だし、現在の入り口を最も支えているのもこの二つであることは明白。
形態・ダーツプレイヤーの多種多様性な変化・時代、様々な要因が入り組んで今に至っているわけですけど、次の15年の「一手」を打つ必要性があるのは今年から来年にかけてだと思いますねぇ。
色々なしがらみがあるのはわかってる。というか、その中で生きて来た人間として「共通プロモーションの解放」は15年前から言ってきたつもりです。念仏のようにね(笑)。
古い人ならば、そういうプロモーションしかやってこなかったとわかってもらえると思います。
今は次の15年に向けて、もう一度全体的なパイを増やす時期に来ている。
さすがに15年後にはおれはお役目御免で、いないでしょうけどね(笑)。

DARTS MANIAX