KTM_column_Top-42

No.42 ハードワークするしかない

2018年9月

バレルの制作方法を、大幅に変えるために作り方というよりも「使用ソフトの変更」が一番早いのでないかと一念発起。
ちょうど、ひと段落ついたので新しいプロジェクトの前に色々なソフトを覚えようと決意。
然しながら、この歳から結構難しいソフトを覚えるというのはなかなか骨のある作業で、ちょっと心が折れかけております。もう一段上に行くためには、これが一番早い方法かなと。そして、今まで散々避けてきた「動画制作」も着手しようかなと。
ディレクションは散々してきましたけど、自分でゼロから作りたいという願望はずっとあったので、このきっかけが最後かなと。

ここで大体、諦めて結局元に戻るという行為を繰り返していたのですが、後戻り出来ないようにプラットフォームもMacからWindowsに一部変更していこうと思っています。これは20年来の友人で動画や3Dで有名なPVやCMを制作しているプロからのアドバイス。
Mac教も良いけど、万能になるには好き嫌いは置いといて色々なOSとソフトを使いこなしていかないとダメと。
もう歳だし、若い時と違って脳の容量的にも限界っぽいしなぁと愚痴ったら、彼は同級生にも係わらず、今から主流となると思われるVRの開発に新しく着手するらしい。まだまだこれからホログラムまでどんどん進化していく技術についていかないとと、まだ先を見据えて自分のスキルを限界まで上げようとしている話を聞いて、「まだまだ頑張らないとな」と気を引き締められた思いでした。
そもそも、僕ら企画屋やデザイナーは誰かに習ってセンスやスキルを上げてきたわけではないので、常に勉強しないといけないんだなと。
何十時間も表現したいものを画面と睨めっこしながら悩んだり、同じ作業をずっと繰り返したりしてきて、日が当たるのは
作品が出来たほんの一瞬ですしねぇ。
「急に上達するマジックスパイスはない、ただハードワークだ」と誰の言葉か忘れましたけど、NBAの有名な選手が言ってたのを思い出しました。
僕が大好きな選手であるステファン・カリーという選手が、小学生に「どうやったら上達するんですか?」と質問されて、彼は「僕は君より上手い。その僕が今でも毎日何時間も練習しているからだよ」とサラッと答えておりました。
確かに他のスポーツの選手は限界まで自分の能力を上げるために、ハードワークを繰り返し練習している。これだけ練習するのもあれだけの契約金をもらっているからだよなと言ったらそれまでですが、年間どれだけ稼ぐかではなく、どれだけ自分が納得出来るかということでしょうねぇ。
それが仕事としての満足感に繋がるし、たとえそれが一銭にもならない仕事だとしても、世に出る作品である限りは、「評価」が付きまとう。評価する側からしたら、それがいくらの仕事だろうが関係ない。僕らは0円でも200万円の仕事でも手は抜いてはいけないと常日頃から忘れないようにしています。
最近練習していないからとか、苦手だからとか一切評価には関係ない。これはダーツにも言えることで、結果が全てです。
仮定は関係ないんですよね、第三者からしたら。その選手がどういう環境に置かれていようが、どういう問題を抱えているのかなんて関係ないんですよね。
結果を出せばそれだけ自分に跳ね返ってくるし、結果が出なければどんどん評価は下がる。
常に10割打者の気分でいないと仕事は回ってこないし、実際多くスポンサーがついていたり露出が多い選手は陰でそれなりの努力をしているはずです。
運よく、露出が多くなったとしても結果を出していなければ、評価はむしろ下降していく状態になる。
何かを掴むためにはそれなりに人よりも努力しないといけないし、それでも結果が出ない人はそれ以上にハードワークしなければ、早めに決断を下して別の道を探したほうがいい。見切りをつけるというのも「勇気」ですからねぇ。
まだ別の道で才能を開花するかもしれないし、それでも諦めがつかなければ、限界まで自分を虐めるしかないんです。
苦しくても、辛くても、精神的に不安定になったとしてもやり続けるしかない。
いつの時代も結局は、遊ぶ時間があるならば上達するためにハードワークするしかない。スポ根なんて古い言葉だと思っていましたが、やり続けたものは裏切らないもんです。

本気で登っていこうと思っている人間の気持ちは行動でわかります。
どんなに「自分は本気です」と言われたところで、フォーム見れば一発でわかりますからね。本気かどうか。
悲しいかな、何十年も人を教えてきてそういう「口だけ」な選手の言葉はわかってしまう。相槌打つのも疲れてきたので、そういう選手への対応はただ作り笑顔で対応するスキルはつきましたけどね(笑)。
そういう選手に対して、こっちがいかに本気でこちらが伝えても全然響いていないでしょうから、こっちが無駄な労力を使うだけですからね。

本気な人のバレルだけ作っていけたら、ストレスも軽減されるんでしょうねぇ。
昔は良かったと、過去のことは振り返りたくないけど最近ふと頭を過ってしまいます。仕事と自分の感情は分けないといけないんですけどね。

DARTS MANIAX