No.34 鈴木未来が遂に世界チャンピオンへ!

2019年1月

Lーstyle代表の芹澤甚太です、本年もよろしくお願い致します。

PDCが一番凄い!もちろんそれは分かります。しかしPDCにはレディーストーナメントが無いので世界のハードダーツの強い女性はここに集まります!
そもそも私はメンズも含め、この歴史あるBDOの団体が凄く好きです。初めて行った2009年から10年間、日本代表選手の皆様と共に通ってしまった執着心で、ひいき目もあるかもしれませんが選手と観客、コーラーと運営の歴史を感じられる一体感と温かみが最高に素敵です。
1978年から始まったこのワールドチャンピオンシップですが、レディースは2001から始まりました。今年で19回目となりますが、この中で優勝経験者はミクルさん含め5人しか存在しません。
理由はイングランド代表トリーナ・ガリバー選手が2001年からまず7連勝!その後も優勝を重ね計10度のチャンピオンになっています。その他ロシア代表のアナスタシアが3回、そしてここ5年では4回もイングランドのリサ・アシュトンが優勝しています。オランダのフランシス選手が1度優勝していますので今回の鈴木未来さんを足しても歴史上5人しか世界に見当たりません。

◆今回の快挙を振り返り
2019年、世界の最強女子16人で行った今回の大会。その全てが快挙でしたが、イギリス人や世界中のダーツファンが本当に楽しそうに彼女のプレイを称賛してくれたことに涙が出ました。レイクサイド決勝戦でアベレージ90オーバーはこのトーナメント史上初!日本人、アジア人としてだけでなく世界的な快挙を成し遂げたのです!

決勝戦の相手は私も大ファンのロレイン選手、彼女はもちろん世界的大スターであり現在シード1の選手。ロレイン選手の準決勝の相手はLーstyleロシアの3度のレイクサイドチャンピオンを経験しているアナスタシア選手で、その彼女を破り鈴木未来vsロレインの伝説の決勝戦を世界に魅せました。

もちろん未来さん側の決勝戦までの戦いも最高に過酷で難しい道のりです。何せ1回戦が近年4度もレイクサイドチャンピオンになっているリサ・アシュトン選手、2回戦目は強豪揃いのオランダNo. 1のシャロン・プリンス選手、準々決勝のイングランドのマリア選手は未来が初めて参加した年に勝てなかった相手。
結果だけ見るとセットを1つも落としていない快挙ですが、どの選手も気を抜いたら一気に形成逆転する力のある選手ばかりで、未来さんもそれを十分知っています。
それぞれの選手に思い入れとリスペクトを抱きながら戦う未来さんの姿には一戦一戦ずーっと感動させられっぱなしでした。
どの対戦も素晴らしいゲームで最後の勝ちを決めるダブルが入りきるまで、ドキドキし過ぎて心臓を吐きそうになるし、鼻血は出そうになるし、奥歯は折れそうになるしで大変でした。
それなのにいざダブルが決まると何が起こったか理解するのに時間がかかるほどパニックになり、実際の決勝戦前夜は過呼吸とめまいでポンコツになってました。

優勝を決めるダブルが入った瞬間もいざその時が来ると何が起こったかわからなくて、隣でマタローさんが涙している姿を見て、少しづつ勝ったのだと分かり、今まで味わったことのない嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

◆私の好きなヨーロッパのハードダーツ文化
ダーツというスポーツがイギリスでどのくらいメジャーかが分かるヒントがパンフレットの中にあります。
それはトリーナ・ガリバー選手の名前に注目して下さい!名前の後ろにMBEと三文字が足され、途中から表記が変わっています。この三文字はイギリス国民にとって大きな栄誉となる大英帝国勲章が授与された証、つまりダーツというスポーツがイギリスの大事な文化として認められており、とても人気が高い証拠です。
ユーロスポーツや国営放送のBBC、地上波のquest TVなどで大きく取り上げられて放送されていました。
新年早々ダーツ観戦に家族や恋人と楽しみに来て、多くの人がコスプレなどで思いっきり楽しみ、試合と試合の間はコーラーがスピーチや入場曲を流して盛り上げます。
まあ今年はQueenが盛り上がりましたね!特にBDOのコーラーチームは年齢層の幅も広く個性溢れて楽しい人達ばかりです。メインMCのリチャードのカラオケを何曲か聞いた事がありますが本当に上手です。

他に好きな文化としてはトッププレイヤーは勝った選手も負けてしまった選手もお互いを称え、多くの選手が出番がなくなっても翌日まで来て、バックヤードで他の選手の観戦やファンサービスをしています。
負けた選手がバックヤードに戻った時には、扉が開いた瞬間そこにいるプレイヤー含む全員で拍手して迎えます。その時はなんだか涙が出てきますね~。こんなヨーロッパのダーツ文化が最高にクールでこのBDOの世界の好きな所です。

鈴木未来さんはこんな素敵な世界で優勝トロフィーに名前が刻まれるだけでなく、ダーツ界を超越して歴史に大きく名前を刻んだことになります。
これから鈴木未来を取り巻く環境が一気に変わっていくでしょう。実際に既にワールドトロフィーのシードが決まり、マスターズ出場権を得ました。
更に世界各地から既にオファーも来ています。次の鈴木未来選手の目指すところは世界三大タイトルの三冠でしょう。
想像をはるかに超える夢ではありますがそんな夢を少し近くに感じさせてくれた鈴木未来選手の活躍、努力に心から感謝したいと思います。
心配なのはこの急激な環境の変化に無理をして体調を後回しにしてしまわないかです。それに関しては今回私が凄いお世話になった、頼もしいミクルズハズバンドがおりますので大丈夫だとは思いますが。 是非皆様も温かい目でこれからの鈴木家の夢実現計画を見守って頂けると嬉しいです!

最後に何時も助けてくれる世界のマタローさん始めダーツファンの皆様、お世話になったBDO、レイクサイド、コーラーの皆様、今回見て頂いた方、そして日本ダーツ界を支えて頂いているメーカー様、ステージで通訳頑張った Lーstyle global代表ツヨシ君、その他関係者全ての人に感謝を伝えたいです。
ありがとうございました!