No.49 10年間続けた最後の甚太コラム

2022年9月

■ 2002年の8月20日に会社を設立して20年がたったその日、2022年の8月20日に奇跡を起こしてくれました。
それは東京ビッグサイトで行われたダーツライブ主催のTHE WORLDでの事です。自分はこの日、今までの20年で1番働く日にしようと決めていたので、試合をあまり見られないくらい朝イチから「売店のオヤジ」として Lーstyleブースで一生懸命働いていました。

遠くで試合が進むのを気にしながらも、実際Lーstyleファンの皆様とのブースでの交流は凄く楽しかったので、時間が過ぎるのが早く感じました。
20年間色々な事があって、色々な作品を作ってきました。そんな事を噛み締めながら過ごした記念日の20日、TOP4に残ったのは何と4人ともチームLーstyleのメンバー。これだけでも十分なサプライズで、共に世界も見据えて頑張って戦ってきた仲間です。

最終的に決勝は鈴木徹vs松田純!激戦の末、北海道の松田さんが勝つのですが、優勝した直後のスピーチでさらにサプライズが待っていました。
緊迫した試合が終わった直後、沢山の観客が見ているステージ上で「今日はLーstyleの20周年の大事な日、甚太さん俺、頑張りましたー!」。
はい、完全にやられました。まさに衝撃です、こんなカッコいい人の仲間で良かったです。さらにその後の一言が痺れます。
「51歳、まだまだやれます!応援ありがとうございました」

こんなカッコ良い51歳に自分もなりたいと思いました。そして自分も、もっともっと今の10倍も20倍も頑張らないとと心から思わせてくれる一言でした。その後ステージから松田さんが戻ってくると、決勝戦で使っていたダーツを私にプレゼントしてくれました。
「キャンペーンとかで使って下さい」と言われましたが、この記念日のチャンピオンダーツは自分が1番意味があると思って、以前ファロンにもらったPDCで初めて勝った時に使っていたフライトと共に宝物になりました。

■ THE WORLDでニュースターが誕生!️
松田さんがチャンピオンとなった同日、同じく日本中のトッププレイヤーが集まる中、レディースチャンピオンとなったのが嵓小鈴選手です。
彼女は歳もまだ20代前半の新しい風で、見ているみんなを驚かせました。ダーツを真剣に始めて約2年という短い時間で駆け上がった彼女は、まさに新しく生まれた天才だと思いました。ストイックにダーツに向き合う練習熱心な小鈴選手、もちろんこれから試合の厳しさを経験したり色々と苦労はするとは思いますが、これからのダーツ界に新しい風が吹いたことは間違いありません。

近い将来スーパーチームに混ざって世界に挑戦する姿がはっきり見える選手でした。
男子も若い天才が次々と現れています。選手生命が長いダーツというスポーツでどんどん進化して行くと思うと、これからの日本のダーツ界の進化が楽しみで仕方ありません。

■ 0年目からの 新しいteam Lーstyle伝説
8月20日の記念日が過ぎて、新たに30周年に向けて動き出した L-style。
動き辛いコロナ禍で、世界タイトルを目指して挑戦する選手の姿にはいつも勇気づけられます。そんな中、新たな伝説はすぐに生まれます。

松田さんに続いて歴史を作ったのはこの甚太コラムでも度々登場していたイギリスのLーstyle最年少マグニフィセント9のボウちゃん(Beau Greaves)でした。天才少女は中学生くらいからチーム入りしていましたが、彼女ももう18歳になりました。
緊張しやすいボウちゃんではありましたが、この歳でステージを何度も経験して、ついに天才が場慣れをして完全に覚醒したのです。

今年のはじめ、WDFのワールドチャンピオンシップ、レイクサイドで女子世界チャンピオンとなったボウちゃん。その後の鈴木未来率いる日本のスーパーチームも出場したオーストラリア開催のWDFプラチナ大会でも優勝した彼女ですが、先日行われたPDCウーマンで遂に前人未踏の4連勝を達成してしまいました。
何年か前「入賞祝いに何が欲しい?」と聞いたら「adidasのリュックサックが欲しい」と言っていた天才少女のボウちゃん。スーパープレイヤーになるとは思っていましたが、ここまでのスピードでここまでの結果を残すとは、現実になるとやはり衝撃的でした。

■ 8月6日オーストラリア開催のWDFにも挑戦し、その後ドイツ開催のPDCウーマンにも出場した日本スーパーチームの活躍
ボウちゃんの4連勝したPDCウーマンの4戦での決勝戦の相手は、そのうち3回が我らが鈴木未来さんでした。
世界タイトルを持ち、PDCのツアーカードを女性で唯一持つリサ・アシュトン(Lisa Ashton)をはじめとする世界のトップメンバーが出場する中、WDFのオーストラリア大会を含めると5戦中4度の準優勝した鈴木未来は本当に素晴らしい成績で、アジア人初の世界チャンピオンの実力を世界にまた見せつけることができたと思います。

今回のこの3人の先頭を引っ張るのはやはりアジア人初の世界チャンピオンである鈴木未来ではありますが、今回もそこに続き世界に挑戦し続ける佐藤かす美、坂口優希恵の2人の姿にも感動しました。
世界の頂点で日本人スーパーチームが活躍して結果を残していることは間違いありません。海外遠征の度に強くなって帰ってくるチームの進化は、他に挑戦している選手も含めて、純粋に楽しみで仕方ありません。

■ コラムを10年間書かせて頂きありがとうございました
このコラムも振り返れば2013年から10年近く書き続けています。締切りも毎回過ぎて迷惑をかけてしまって、編集長に「明日終わらなかったら白紙だよ〜」と何度か言われたのを思い出します。

文章が浮かばず休んだり、DYNASTYの三船社長やBully’sの社長ゴンさんにお願いしてしまった事もありました。
色々とあった20年とニューダーツライフの10年。書くのは苦手で大変でしたが、本当にやり切れて良かったと思ってます。
「世界のダーツの遊び方」というタイトルで描かせて頂いた10年。タイトルとはどんどんかけ離れてしまいましたが、私がこのコラムで伝えたかった事はダーツを上手になる以上に大切なことです。

ダーツを持って世界を回るのも楽しい、出会いも楽しい、試合に出場するのも楽しい、世界一を目指すのも楽しい、友達や仲間とダーツをするのも楽しい、
こんな感じでそれぞれのダーツとの向き合い方があって、どれもが大正解という事です。
是非、これからも1番自分のSTYLEに合ったダーツとの付き合い方をして人生の楽しみの一つとして続けていただけたら最高です。

このコラムの終わりはネガティブなお話ではなくて、ニューダーツライフもWEB版へ進化すると言う新しい物語の始まりだと思っています。
47歳、まだまだやれます!これからも今まで以上に新しいことに挑戦してカッコ良い事をやっていきますので是非よろしくお願いいたします。

読んでくれている皆様、益田編集長、コラムに登場して頂いた選手含む全ての方々、そしてダーツに感謝です。本当に本当にありがとうございました。
それではまたどこかで。