2021年3月
さあ今回は2021年、ダーツの明るい未来に関わるお話です!
最近はオンラインでのダーツトーナメントがたくさん開催され、ダーツの新しいカタチ、進化が見られます。これはボクシングでも無理だしテニスでも出来ない、ダーツというスポーツならではの表現方法だと思います。
この中でダートストリームライブという多くの日本人トッププレイヤーが挑戦している世界のプレイヤーが集うオンライントーナメントで、見事優勝した中村周作というプレイヤーに注目してインビューしてきました!
まずこのトーナメントについて簡単に説明します。
昨年コロナによりイギリスがロックダウンされ、PDCが開催されなくなりました。その時にPDCで活躍するDamon Heat選手が提案したのがきっかけで生まれました。この提案に現在の主催者Ben HuntarとDeclanが賛同し毎週末行われるようになったのです。彼らの呼びかけにより沢山のPDCに参加している世界トッププレイヤーが参加して一躍有名になりました。現在はPDCプレイヤーの参加は減ったものの、アベレージ90オーバーは普通の凄くハイレベルなトーナメントになっています。
n01のナッカサン始め、通訳として動画にいつも映るAYUMIさんなど毎週サポートしていただいている方々のおかげもあり、日本からもJSFDランキング1位の饗場さんやPDCに昨年末出場した鈴木徹やエディ、女性プレイヤーとしては佐藤かす美等、その他多くのスーパープレイヤーが挑戦しています。
Lーstyleとしましても良いスキルアップにもなると考え、チームとして挑戦しておりました。いつかこのトーナメントで日本人が優勝するのではないかと毎週楽しみに応援していたのですが、今回その偉業を若干18歳の天才プレイヤー中村周作が成し遂げたのです。
私もいろいろな歴史的瞬間に立ち会ったり見てきたりさせていただいておりますが、今回注目すべきは優勝したことよりも、最高に興奮させてもらって希望をくれた、その勝ち方、その内容であります。
そこでこのゲーム内容に関してと、中村周作君の“生態”に関して質問してみました。
■ 2回目の挑戦で優勝したこの大会にどんな気持ちで挑んだのですか?
ダーツを始めてからPDCで勝てる選手になりたいということを目標に頑張ってきました。だからPDC選手も参加しているこの大会に出ることが自分のレベルを確認できるという意味でも大切な試合でした。そしてこの大会を迎えるにあたって準備してきたものを発揮できればいいと思っていました。
■ 大会中はどんなことを考えていますか?
自分が目標としていたPDC選手だけではなく、出場者皆のレベルが高かったです。「どの選手に当たれば楽」ということはなく、誰と当たっても難しい試合になるなという印象の中で不安を感じるとともに、この環境で自分がなにをできるのか試したくなりました。ギリギリの勝負が続き準決勝を勝ち抜いた時、目標としていたPDC出場選手との決勝戦になりました。なので何としてでも勝ちたいという気持ちが強かったです。
■アベレージが準決勝97.47で決勝89.67とその日は44レグ投げて平均88を超える素晴らしいダーツでした。準決勝6レグ目で相手が130残りに対し周作は残り50を1本目からインブルトライして上がったけど、40や32にアレンジしなかったのは何でですか?
この大会に出場して皆が上手い事を実感したので一生懸命でした。この場所では少しでも気を抜けば対戦相手にまくられます。ですので自分の出せる力を最大限に発揮しなければ勝てないという気持ちと、少しでも相手にプレッシャーをかけたいという作戦の中で、1番インパクトのあるインブルを狙いました。後から考えてみれば、あのインブルのおかげで最終レグもブレイクゲームをとれたんだと思います。
■ 優勝して思ったことと今後に関して。
今年の4月からプロダーツプレイヤーとしてダーツを投げることを決めたので、これまでとは全く違う環境・対戦相手とダーツを行っていく事になります。その中で抱いていた不安に一つの切り替えをつけられるいい機会になり、この経験を1つの自信として今後のダーツ人生を頑張っていけるなと思いました。
■ 現在の環境や練習時間に関して教えて下さい。
僕がダーツの練習に専念できるのも自分がやりたいことを全力で応援してくれる両親のおかげです。ダーツにとても熱く、自分が試合で負けた時には自分よりも悔しがってくれます。それと自分の希望するバレルを納得するまで作り込んでくれるDYNASTYの三船社長がいるのも自信につながります。集中して投げる環境を作ってくれている皆様にはとても感謝しています。
普段はAJITOやアウルズで1日6ー7時間ハードをメインで練習しています。上がり方が大事だと思うので上がりの練習を中心にやっています。ぜひご来店ください。
ということで18歳にして質問に完璧すぎる答えを出してきた周作君。出会いは彼が14歳でイギリスに一緒に行った時でした。初めての海外挑戦はユースで二回戦敗退。とても悔しがっていたのを覚えています。それが年々進化してレイクサイドでトップ8、ルーマニアのワールドカップではユースのシングルスでついに3位を取りました。
こんな彼の成長を観察しているだけでワクワクして楽しいです。
実は周作君、歴史的快挙を何度か手にしていますがその度にすぐ鈴木未来さんがその上をいく快挙を成し遂げてしまうので微妙な目立ち方でした。今回も周作が優勝して、次の日にミクルさんが優勝…。
でも嬉しかったのは周作がミクルさんにおめでとうを伝えた時に、世界チャンピオン鈴木未来から一言「周作のが凄いよ!」。
いつも快挙ではあるが優勝にあと一歩だった彼がユースではなく、一般で世界相手に堂々たる優勝に鈴木未来のこの言葉。聞いてるこっちが涙が出そうになりました。
こんな感動をくれるダートストリームライブ運営の皆様、それを裏で支えるn01の開発者ナッカさん、挑戦するみんなに心から感謝いたします。辛いコロナ禍ではありますがこんな楽しみを見つけて、ワクチンがコロナをやっつけるまで少しの我慢で乗り越えましょう。