No.56 今後もオンライン大会は増えるでしょう

2020年11月

悪い意味で歴史に残るような2020年もあと1ヶ月で終わりますね。まだ有効と言えるワクチンも開発されず、来年も続きそうな雰囲気です。今の生活に慣れるしか無いのか、それとも元に戻るのか、今よりももっと新しい生活スタイルを模索しなくてなならないのか。
政府はあまりあてにはなりませんから、自分達でお互いを気遣いながら生きていく事が必要ですね。

さて、このコラムでも日本のスティールダーツ界が一つになればなんて何度か書きました。昨年の初めあたりからその動きが少しあり、私にも協力して欲しいなんて話もあったので、色々と打ち合わせをしていましたが夏くらいにはその話も破談となりました。
そのタイミングでJSFDの組織変更をしようなんて話も持ち上がったのが昨年の7月くらいですね。
それまでのJSFDは正直なところ組織としての体を成してなかったですし、お金の部分も厳しいんだろうなあ、と外から見ても感じられる状況でした。
今までは賛助団体という形で外からJSFDに協力をする体制でしたが、加盟団体制とし各団体から理事も出してもらい、多くの人の力で日本代表をきちんと選び、皆の力で日本代表をサポートできるような団体にしようと動いてきました。

私も長野の代表として話し合いには参加させてもらい、活動もしてきました。
当初の予定では2月か3月くらいにJSFDが変わる事を発表して、新しい会員制度や仕組みを8月の新年度に向けて準備し動く予定でした。
しかし、このコロナ騒ぎです。3月以降の大会は全て中止ですし、加盟団体のリーグ戦も4月以降始まりませんから、各団体が年会費も集められず正式な団体の名簿もありません。JSFDへの加盟金の承諾も各団体で総会や理事会が出来ず認められないところも。
JSFDの組織改編に合わせてホームページもリニューアルする予定でしたが、名簿が集まらないのでJSFDの会員もきちんと処理ができずホームページも古いままの現状です。11月中には何とかなっているのかな?前の理事が6月末で任期を終えたタイミングで新たな理事の登記もして、今は新体制でJSFDを運営しています。

私も理事として協力させてもらっていますが、担当としてはワールドカップの日本代表選考委員で主には広報をする事になりました。今は大会もありませんのでフェイスブックの更新が私の仕事ですかね。このコラムを書いている事も任された理由かもしれません。
まあともかく、WDFに加盟する唯一の日本の団体ですから、日本代表を目指す人がもっと増えるような広報活動と、やっぱり選手の為の団体運営が出来るように頑張って行きたいなと思っています。
もちろん私の場合はJDOの評議委員もさせてもらっていますからJDOも大切ですし、今まではあまり関わりの無かったJDAですが何かの機会があれば良いおつきあいをさせていただければと思っています。

そうそう、ご存じの方も多いかもしれませんがBDOが団体としての活動を終了しました。
元々プロ団体はBDOしか無かったのですが、トップ選手と感情のもつれからPDCが誕生したのが28年前。
私がダーツをはじめた20年近く前からPDCとBDOの人気とイベントの規模が大きく離れていき、近年はPDCに対して融和策をとるのかなと思いましたが、一昨年くらいからまた選手に対し独善的な対応をするようになっていました。
そんな状況で今年のワールド・チャンピオンシップでは1986年からレイクサイド・カントリー・クラブで大会が開催されていましたが別の会場での開催となり、大会直前に賞金の減額も発表され、ファロンが出場しなかったりとかなりきな臭い状況でした。
大会後にはWDFからBDOの除名が発表され、2021年からWDFがレイクサイドでワールド・チャンピオンシップを行う事とワールド・マスターズも同年から開催する方向だとJSFDに打診がありました。

BDOからは今まで通りやるので協力して欲しいと依頼があったりして、JSFDのミーティングでも何度か議題にものぼりましたが多くのBDOのスタッフがWDFに移る情報も入ってきていましたので、こうなるんだろうなあとは思っていました。
ダーツだけでなくスポーツ団体はプレイヤー・ファーストの精神と企業としての理念をしっかりと持っていないと、選手にもファンにも支持されないって事がわかる事例となってしまいましたね。

ともかく、世界中から人が集まれる状況になればWDF主催でレイクサイドも、ワールド・マスターズも、そしてワールド・カップも開催出来るのではないかと思います。今年はJSFDもWDFも3月以降大会やイベントなど全ての活動が中止となっていました。アジア・パシフィック・カップは2年後に延期で、来年のワールド・カップは開催予定と連絡はもらっていますが、状況によっては延期もあるのかなと思っています。

とりあえず今年はJSFDの始動の準備をと思っていたのですが、9月初旬にWDFからヴァーチャル・カップの案内が。大会開始の3週間前でのアナウンスですが、紙にして英語で2枚。会場に集っての大会ではなく、1ヶ月近くかけての大会でインターネット上での対戦のようです。
しかし詳細は全くわかりません。インターネットでやると言っても必要なシステムや機材も不明ですし、日本とヨーロッパでは時差が8時間あります。
現地時間で日曜日の20時と決められていたら日本は月曜日の未明の4時ですから対戦も難しいですし、選手のスケジュールの問題もあります。選手に説明も出来ませんから、出るとも出ないとも返事も出来ません。

WDFに詳細を確認して、ダーツ・コネクト主導の大会で同社のシステムとスカイプを使って開催し、予選は3週間以内に全ての対戦をし、決勝トーナメントはマッチが決まってから3日以内に、選手または各国のマネージャーがスケジュール調整をして都合のあう時に対戦する事がはっきりしたのが大会の1週間前。
オンラインで緊急理事会を開き選手派遣の決定とメンバーの選定を行いました。メンバーは現在のJSFDランキング2位までの男女各2名。饗場克也、小川祐一郎、鈴木未来、佐藤かす美の4選手。

こんな海の物とも山の物ともつかぬイベントに二つ返事で参加をしてくれた4人の代表選手には改めて感謝したいと思います。本当にありがとうございます。
大会がスタートしても色々とありましたね。当然通訳は必要ですし、スカイプで対戦相手がつながらなかったり。
時差が8時間あるため鈴木未来選手は朝6時半からの対戦をする事になったり。決勝トーナメントは動画中継もあったのですが、日本時間の29日朝6時半と動画サイトには連絡してあったのに、ヨーロッパの時間で29日と間違えられ当日になって翌日だと気づくことに。まあ本当に大変でした。

このようなコロナの状況が続くようなら今後もオンライン大会は増えるでしょうし、今まで通りの大会が出来たとしてもダーツ・コネクトやn01を使っての大会運営や、SNSを使ってのマッチカード通知など色々と現場も変わるんだろうなと考えさせられました。早く安心してダーツが出来る環境になって欲しいですね。
来年が良い年になりますように。