2020年1月
真の世界チャンピオンと世界が認めたBDOワールドチャンピオンシップを振り返って!
鈴木未来が華々しくBDOワールドプロ2連覇で始まった2020年、本年も宜しくお願い致します。
2019年はファンの皆様に支えられてLーstyleのチームは多くの歴史的快挙を成し遂げてくれました。
ちょうど1年前に鈴木未来さんがレイクサイドで開催されたBDOワールドチャンピオンシップで世界チャンピオンとなった事から始まり、世界最大のスティールトーナメントである4000人規模で開催される最も優勝が難しいダッチオープンで優勝!
そしてWDFワールドカップでも日本人初の個人戦優勝と、大内麻由美と共にダブルス優勝と初めて尽くしでした。
そんな中、浅田斉吾もPDCワールドチャンピオンシップで日本人初となる2回戦を突破して、敗れはしましたが優勝したピーターライトにセットも取り好ゲームを見せる快挙を成し遂げます。ユースで言えば中村周作が歴史上初めて、日本人ユースでワールドカップで3位になるという素晴らしい活躍を見せました。
日本、アジアのダーツ界は激変を遂げています。世界で通用するレベルにそして勝つレベルに突入しています。女子に至っては誰が鈴木未来を止めるのかと言われるくらいになりました。
2年目は運ではなくて完全に実力であると世界に見せつけた今回の結果。
これはあのフィルテイラーさんがオーストラリアで知野真澄と決勝戦をやって優勝した後のインタビューで、今後アジアから世界チャンピオンが生まれるだろうとステージ上でコメントとして予言していた通りでした。
今回のコラムはPDCの浅田斉吾の活躍に関しても触れたいのですが、それはNDLの中で特集されるとして、実際に同行したBDOのワールドチャンピオンジップを中心にお伝えしていきたいと思います。
▪︎2020年1月3日に鈴木未来選手とマタロー先生、私含むLーstyleサポートメンバーは別々の便でロンドンのヒースロー空港を目指して出発。未来さんの旦那様は仕事の都合で1回戦目の後の7日に出発予定でした!
これだけ沢山一緒に行ってると住む場所や貯めてる航空会社のポイントなど考えて、それぞれ都合の良い飛行機があるので現地集合になってたりします。
1日目はホテルしか取れなかったのでそこに宿泊、次の日からは部屋が沢山ある8人まで宿泊できるマンションをレンタルしてそこで共同生活します!
8人泊まれますのでベッドルームは3つあり1番大きな部屋には個別にシャワールームがついている感じです。もちろんホテルも良いですが共同生活のメリットも多いです。
それは大きなリビングにキッチンがありのんびりと過ごせるからです。デメリットとしては未来さんが寝た後に、マタローさんが面白いことをしても大きな声で笑えないとか、時差で夜中になりっぱなしの電話がしんどいとか当たり前の事はあります。
でも洗濯も出来るし、それぞれ日本食も持ち寄りますので、食事の心配も全くありません。むしろ未来さんが皆んなに料理を作ってくれるのですが、それがメチャメチャ美味しくて楽しみの1つになっています。
こちらも流石に作ってとはお願いできませんが、未来さんが作るタイミングでお腹を空かしてそうな顔をすると聞いて来てくれますので、気を使ったふりして一度は断りますが結果作ってもらいます。
いつもは一軒家が多いのですが今年はロンドンという事で一軒家は少なく、マンションタイプですが、ホテルよりも価格は安いです!
2日目に会場を見に行きました。会場はO2と言うイベントホールで東京で言うビックサイトの様な有名なホールです。
そこのindigoホールは小さめではありますが1500人は観客が入る事が出来ます。
昨年まではレイクサイドで同じ大きさくらいホールでした。このレイクサイドは歴史上チャンピオンシップは必ずここで開催されていましたので、歴史も感じるし雰囲気も良くて好きな場所でした。
しかしこのO2ホールもPDCが開催されているホールで、観客も慣れているし沢山のお客さんが見に来ました。
レイクサイドより良い点はロンドンの街から近いこともありますが、ホールの中に飲食店もたくさんあってアウトレットも入っているので、買い物にも凄く便利です。今回もセールをやっていたので、ほぼ手ぶらで行きましたが、向こうで服を揃える感じで面白かったです。
昨年は日本の夜中に放映されていたのを覚えてますでしょうか?
これはイギリスのお昼過ぎの時間です。つまり昨年は視聴率的にはあまり良くない午後にミクル戦が回されていたのですが、今回は昨年度チャンピオンということもあり、1番視聴率の良い午後9時くらいに試合が設定されてました。
午後9時は日本の朝6時前後、眠い時間に生中継されていたので日本人にとっては、生中継を見るのが大変な時間だったのではないでしょうか??
1回戦の相手はマリア!
最初に1セット取られていきなりピンチに立たされます。マリアは鈴木未来がワールドマスターズ初参戦した時に、未来さんに世界のハードダーツの難しさを教えてくれた相手で、彼女に敗退して帰国することになった相手です。
マリアは明るくて私が腕相撲やったら負けるくらい力が凄く強いです!
この男勝りなマリアはダーツも男勝りなプレイヤーです。レベルも高くてメンタルも強い、何しろ安定感がありますので1セット先取されてから逆転するのは本当に難しいですね。
強いマリアに勝ってから、次の相手は世界ツアーランキング7位のアナスタシアです。彼女の説明はいらないくらい日本にも何度も来日している、有名なロシアを代表する世界タイトル保持者です。もちろんこのワールドチャンピオンシップの優勝経験もあり、その優勝回数は何と3回!
2008年に7年連続チャンピオンとなっていたトリーナガリバー選手を止めたのもアナスタシアです。
その後2012年と2013年にも優勝した経験があり、今回の優勝候補の1人で、前回のone80・Lーstyleワールドマスターズのファイナリストでもあります。
マリア同様、未来さんが以前敗退した経験もあり本当にプレッシャーがかかる一戦でした。しかもミクルズハズバンドがせっかく応援しに来てくれた最初の1戦目でありますから、何としても勝ちたいプレッシャーはあったと思います。もちろん1回戦目もミクルズハズバンドが勝たないと来てくれないというプレッシャーもあったでしょうが、この結果を見るとこのプレッシャーが逆に大きな力になったのは間違いありません。
そしてファイナリストを決める準決勝はボウちゃんです!彼女はこの時ちょうど16歳の誕生日を迎えたばかりの、世界一の天才少女でユースの女子の4年連続チャンピオンでもあります。
結果この試合で初めてストレートセットをとったことになりますが、内容は1番切迫したハイレベルな試合になりました。
どちらもスーパーなダーツではありましたが後でボウちゃん家族と大会の話を聞くと、本人はそんなに緊張してたか分からないと言っていました。
今まで経験した事が無いくらい緊張していたらしく、お父さんに試合前に「ダーツが全然入らないの」と漏らしていたといいます。彼女は凄く優しい性格で、控えめな性格です。実は裏話ですが、2セット目が終わった後にブレイクタイムに入るのですが、そこでステージにダーツを忘れてしまったそうです。
16歳の控えめな彼女はそれを言えなくて、控え室で練習しないでじっと始まるのを待つしかなかったそうです。これからはそういう事があったら、勇気を出してちゃんと取りに行くか、お願いして取ってきてもらう方が良いですね。
15歳にしてBDOのトーナメント中に9ダーツを出した天才少女は、これから更に練習して女子の新しい領域を目指してくれると思います!これからの活躍が楽しみです!
そして決勝戦は過去6年で4度のワールドチャンピオンに輝き、昨年のワールドマスターズでアナスタシアとの激戦を制し、優勝したツアーランキング1位のリサアシュトン!まさにラスボスとしてふさわしい最強の対戦相手となり、決勝戦にふさわしいカードとなりました!
もちろん観客も大興奮で凄い盛り上がりです。ファンもどちらも多いので、どちらが良いプレイをしても、大きな歓声が上がりました!
軍配は鈴木未来さんに上がり、結果だけ見ると3ー0セットのストレート勝ちでしたが、リサも沢山の見せ所があるプレイで、どこで流れが逆転するか分からない緊迫した試合で、凄く面白いゲーム内容でした。
今回の未来が優勝するまでに対戦した相手は4人とも優勝候補でした。数字だけ見ると、普段のレベルからは低いアベレージだったのですが、それぞれいつも対戦して仲も良いんです。
負けたくない気持ちが大きなプレジャーとなり、いつも通りの技術を見せれなかったと未来さん含めて選手それぞれが言っていましたが、理由は明確だしそんな姿がまた面白かったり感動したりしました。
反対山の対戦も全てがそれぞれの色々な思いの詰まった対戦で、どのゲームを見ても頑張ってきた努力や苦労が伝わって来て、素晴らしい戦いで感極まってしまいました。
私の今回の1番の任務は預かっていたチャンピオントロフィーを無事にイギリスに返還することでした。そしてそれを出来たら、日本に持ち帰りたいと祈っておりました。持ち帰れるか持ち帰れないかは全て未来さんにかかっているわけで、そのためのサポート、応援をしただけです。しかし現実的に本人の努力により帰ってきたワールドチャンピオンシップのトロフィーは預かって2年目に入り、更に愛着が湧きました。
浅田斉吾さんがPDCに命がけで挑戦して、日本に新しい歴史を作ってくれました。鈴木未来が2連覇し、世界チャンピオンとして不動の地位を確立してくれました。日本のダーツ界は世界的にも注目されるようになりました。
必ずこの興奮、醍醐味を日本の皆様にもっと近く、そして目の前で見ていただきたいので、近い将来日本でこのスーパーレディースメンバーが集まる大会を開催できたらと思っています。
PDCでクイーンオブザパレスになったファロンが、今回は参加出来ませんでした。彼女も入れて世界中の本当に強い女子が、みんなで楽しく競い合う姿を、ぜひ皆様に知ってもらって体感してもらいたいです。ダーツだけではなく、人間的にも凄く素敵な面々ですので、日本に来た際にはそんな人間模様も含めて知ってもらいたいです。
そんな夢の様な集いを実現させるべく、頑張って行きますので、世界が日本に来るのをぜひ応援して下さい!
今回ダーツファンの皆様はじめ、選手、大会関係者の皆様、JSFDの皆様、日本に情報を細かく伝えて頂いた寺田さんや、現地でさんざんサポートしてくれてツイキャスのやり方を教えてくれた世界のマタロー先生、そして頼もしかったミクルズハズバンドの勇気くん。
共同生活チームのみんなの力で出たこの素晴らしい結果に感謝いたします。
鈴木未来さん世界2連覇おめでとう!