Mitsumasa Hoshino-Top

Vol.24 星野 光正
圧倒的な力で第1回PERFECT優勝

2007年3月号

先ずは優勝おめでとうございます。第1回目開催ということもあり、ファンからの期待や、2006年フェニックスチャンピオンという立場から相当プレッシャーもあったと思いますが、見事優勝されました。今の率直な感想を聞かせてください。
「いや~疲れました…」終わったばかりでまだ実感は湧いてこないけど…誰よりも自分が一番喜んでいます。今回は「ホンマに取りに行ったタイトルやったからね…」

第1回目優勝者ということで、みんなの記憶と大会の歴史に残りますね。この大会での星野選手の戦いぶりを見ていて、色々なプレッシャーがあるなか非常に落ち着いている印象を持ちました。この試合に向けて、特別な練習とか、取り組みはありましたか?
練習・技術面については、すでに極まってる状態だと思う。(誰もが…)いったい何で差がつくかと考えると、精神面が大切だと思っています。実は僕、結構精神論者なんですよ!大勢のファンに注目される状況下で、いかに持ってる力を発揮できるかが大事ですね。当然応援してくれる人に格好悪いところは見せたくないから…実は僕の中に「美学」というものがあって、試合で負けるにしろ、勝つにしろ、自分らしい戦いぶり…ファンの方が「星野を応援していて良かった」と感じてもらえる戦いをしたいと思っています。時々試合中に大阪で応援してくれているみんなの顔が浮かんできて…思い切って狙って、思いっきりハズしたのならファンの皆も納得できると思うし…。技術より気持ちを高めて今日の試合に臨みました。

この大会は日本で始めてソフトダーツ優勝者に賞金100万円が与えられますが、賞金はどうしますか?
「すぐに仲間にたかられる!?」「直ぐにスイスの銀行に送金します(笑)」…そうですね大阪に戻ったら、うちの店で働いているスタッフに食事をさせてあげようかなぁ。残りの使い道は、ゆっくり考えます。

プロトーナメントは1年間を通して全10戦のスケジュールが組まれ、特に次の大会は地元大阪で開催されます。実力者として、この長丁場を戦って結果を出していくためにどう考えていますか?
僕も当然ダーツプレイヤーとして夢を掴みに来ているわけだから練習することは当然です。練習プラス強い精神力を発揮できるためにどうするか…。次の大阪大会は、今回よりもっと厳しい戦いになると思います。地元のファンの思いは当然強い。この強いファンの思いを100%力に変えられれば勝てるだろうし、その気持ちが空回りしたら負ける可能性も充分あると思う。今はホームで戦うよりアウェーで戦っている時の方が気持ち的には楽なんですよ。

昨年辺りからメキメキ実力が上がってきたように思いますが、練習方法・時間はどうしていますか?
特に時間は決まっていませんね。今はSTAR’SCAFEの店長としての仕事もありますし…。ダーツバーのスタッフは案外練習時間取れないものです。少ない時間でいかに効率よく練習するかが大事ですね。気をつけているのは、今の技術を落とさない事。でも特にお店の開店前に練習したりすることはありません。

今回、賞金を獲得したプレイヤーとして、全国のダーツプレイヤーに知られることになり、今後ダーツ業界をリードしていく立場にもなってくると思います。特に地元大阪の若いプレイヤーに対しての関わり方も変わってくるでしょうが。

お店に来てくれる方には、包み隠さず教えてあげたいと思います。少しでも大阪自体の選手のレベルアップに貢献ができれば、レベルが上がることによって更にダーツ業界自体も活気が出て面白くなってくると思います。僕らの立場としては、既にみんなに夢を与える立場にあると思います。トーナメントでの態度や戦いぶり、ダーツの技術もご自身に合う一般プレイヤーがいれば、参考にして取り入れて頂ければいいですね。

今日のトーナメントでの戦いぶりについて感じたことは?
はり今日という舞台が今までにない大きいものだったし、ギャラリーも多かったので、出場した多くの選手はかなり緊張していたと思います。僕は壇上で燃えるタイプなんです。壇上では、負けても勝ってもファンに見て貰いたい思いが強いですね。

この大会が今後どのような大会に育って欲しいですか?
プロというカテゴリーが、今後ダーツ人口が増える良いきっかけになるんじゃないかと思っています。野球にしてもサッカーにしても同様だと思いますが、自分のしていることが仕事になる…という明確な事実が立ち上がったと考えています。プロはお金の世界ですから、腕に自信のあるプレイヤーがどんどん出てくるだろうし、メディアに登場すれば一般の人も興味をもってくれると思います。競技人口が増えれば、当然業界も大きくなっていくだろうし僕らの仕事も増えると思います。

2007年はトーナメントにどの程度出場する予定ですか?
あくまでもプロトーナメントを軸に活動する予定です。プロツアーの間に調整を含めて他の大会にも出場しますが、プロツアーで好成績を残し、年間ランキングポイントで1位を目指しています。

今、ダーツに迷いはないですか?ハード(スティールダーツ)については取組んでいますか?
迷いはないですね。技術的には沢山練習すれば上がっていくと思います。1100点や1200点をたたき出す選手は世の中には何人もいると思いますが、必要なのはその技術を大会で発揮できる精神力です。つまり大会で勝つダーツをいかにできるか。勝負に勝つことこそが大事なんです。きれいなダーツより強いダーツを目指したいと思っています。元来ソフトダーツで育ってきましたから、あえて今まで殆どハードの試合には出ていませんでした。この大会をきっかけにJDAとのお付き合いも出来るようになり、PDCという具体的な目標も少し見えてきたので、1回ハードの試合にも出場してみたいと思い、先日静岡で行なわれたJDAのハードの試合に出場しました。経験が少ないので、ハードのプレイヤーから見るとアレンジについても妙に思われたでしょう…。でも2日とも優勝したんですよ(笑)いやぁPDCも目指したいよ!!うぅ…まずはアレンジを覚えて…次にスコアラーを覚えて…。まずはアジア最強を目標にしますよ。

ダーツを始めてどのくらいですか?強くなったきっかけは?
2年と4ヶ月です。今、振り返れば…いつのまにかって感じです。ただガムシャラに…ちょっとずつ・ちょっとずつ登って来たんじゃないかなぁ。一番印象に残っているゲームは、2006年福岡ハイネケンカップでの松元 大奉選手(TiTO)との試合です。結果として負けたんですが、試合している途中で自分が成長しているのが実感できました。試合中に「うわぁ!俺今ホンマに伸びて行ってる!!」と…初めてトップレベルを自分の手で捕まえたと感じた瞬間でした。

今後のダーツ業界を支えていくプレイヤーとして夢はありますか?
なったらいいなぁと思っていることなんですが、選手がもっと力を持つことが出来ればと感じています。プロ野球選手のように選手会みたいな組織ができれば、もっともっとダーツの世界も広がるだろうし、選手にあこがれる人ももっと増えるだろうと思っています。まだダーツ自体がスポーツとして認知されていない状況ですが、競技自体は体力・精神的には充分プロに近いのではないでしょうか。魅力ある選手が一線で活躍できる環境を作るためにも、その環境を維持していくためにも、まだまだ先の話になると思いますが、選手としての立場も確立していくことが出来ればと考えています。まだまだ本当に先の話でしょうねぇ…でも初代選手会長には立候補しますよ…(笑)

最後にプロツアー第1回目チャンピオンの立場から読者にメッセージを
実はダーツはマニアックな面もあって、はまればはまるほど嫌いになる要素もかなりあると思います。ダーツを嫌いにならないよう心がけて、楽しんで仲良くやりましょう!!