No.58 ダーツ界に「ドラフト制」

2021年9月

僕の好きなアメリカのバスケットボール団体の話題から、「ダーツにもこういうのあったら面白いのにね」と思ったことを。
まずは「ドラフト制」。
これは、今ではプロ団体が2つあるわけですけど、単純に入賞ポイントを別に設けて、その年間の順位決めをして下位から次の年の有望若手選手を獲得出来るシステム。プロライセンスを取ったばかりの人が対象で(今は時期はいつでも取れるので、なんらかの線引きは必要でしょうが、そういう細かい話は置いといて)ドラフトを行うわけです。
この時に、予め古音ドラフト機構が「ドラフト一位の選手は年間スポンサー料はいくら」と決めておけば、順位によって既に年棒が決定されていて、選手も安心。メーカー側もこれは守るべきルールとして選手に支払う。
ただ、プロ取ったばかりの新人ちゃんなので、いきなり大型契約な金額では無いですけど、「あの選手は今年のドラ1だよ」とか、周りは盛り上がれますよね(笑)。

それで、ルーキー契約が終わってからは、各々で契約交渉が行われる感じになるわけですね。これは個人的には非常に面白い。メーカーによっての偏りが減ることで「バレルメーカー対抗戦」がプロツアー以外に定期的に行われて、メーカーというよりも「球団的」イメージでファンも、また違った視点からの応援方法が見出せるのでは無いかなと。
この他に、プロライセンスを取る意味合いも夢が出てくるんじゃ無いかなと思うんですよね。各メーカーがどういった選手がルーキーでどれくらいの実力なのかは、専用サイトかなんかに情報を共有してわかりやすいようにしていく。
で、この指名権は「譲渡出来る」システムにしておいて、「2022年のドラフト権をAからBに譲渡する代わりに、この選手が移動した」的なことが可能になると。

ということは、選手のメーカー移動には「FA」と「制限付きFA」、「トレード」くらいがルールであったら面白いかも。
NBAだと、めちゃくちゃここにルールがあって、ベテランミニマムやらミッドレベルエクセプション、バード条項とか様々に入り組んでいて、面倒になるし、ま、ダーツ界はそこまで複雑ではないので3つくらいで良いでしょう。
単年契約の選手が翌年契約を更新しなければ、これはFAになるし、単年契約でも「制限付きFA」になると、Aというバレルメーカーに所属していたんだけど、Bというメーカーからオファーがあって、その金額をAが選手に約束すればAに残留、出さなければ、新しいBというメーカーに移籍決定。

複数年契約の場合は、その契約中にその選手が欲しければ、それに見合った選手を差し出す。通常は「1体1」ですけど、大きな契約選手の場合には「3体1」とか「ドラフト指名権」をいくつかつけて放出すると。
基本的にはトレードデッドラインはツアーのいつまでが期日ですよと決めておいて、それまでに争奪戦が行われるわけですけど、まぁ、大体はオフ期間に色々動いたりしたら面白いですよねぇ。
こういう仕組みを構築するとしたら、万が一メーカーが払わないとかのトラブルを避けるために、協会側にある程度の金額を補償金としてプールしておかなければならないというシステムになるので、新興メーカーが出づらいというデメリットは生じるんですけど、ダーツ界で散々起こった「支払い拒否」とか「メーカー側の契約不履行」はなくなるので、選手は今よりは守られますよね(笑)。

まぁ、今残っているメーカーでそういう危ない会社はないとは思うんですけど、複数年契約しているのに、ご時世で金額を下げますとか「じゃあ契約書交わしたのはなんだったの?」というトラブルは減りますよね。
この業界、なんか知らんけど都合の良い解釈でメーカー側が勝手に選手を弄ぶケース多いからなぁ…。その前に散々儲けていたはずなのに。
そして、選手側も契約金額は協会に申請して、その一部分を引退した時に、分割でもらえるのか一括で貰えるのかは別としてプールしておくと。
つい、良い金額貰っちゃうと、ちゃんと将来を見据えて貯金なり投資に回していると考えている人は別、大半の選手が使い切ってしまって、選手として勝てなくなった時に焦るというパターンを嫌というほど観てきたので、こういうシステムを業界で作ってあげれば、何かあった時でも安心でプレーに集中できると思うんですけどね。

後は、本当はサラリーキャップ制度があると面白くなるんですけどね(笑)。
サラリーキャップとは、全メーカーが「そのメーカーの所属選手全員の総金額は〜万円までしか使えない」とかね(笑)。
そのメーカーで選手に使える金額の上限が一律で決まっているので、それをどう配分するのかというメーカーの手腕が問われるわけです。
これはメーカーの資金力に違いが大きく出ると思いますから、現実的には無理でしょうけど、その中でロスター(選手構成)を考えていくのはこれはこれで、ダーツバーの会話として盛り上がると思うんですけどね。「今年はあそこは成功したなぁ」とか、「あの選手の契約が大きすぎて、なかなか良い選手を他に補強出来ない」とかね(笑)。

今は、あくまでもダーツは個人として成り立っているものを、ちょっと仕組みを変えてみると面白いと思うんだけどね。契約金額は言いたくないとかいったって、どうせ税務署にはちゃんと申告しないといけないんだから。
飽くまでも「バレルメーカー」の契約金額だけで、他のスポンサーに関しては不問としていけば、頑張っている新人ちゃんとかにはいい目標になるだろうし、面白くなると思うんだよなぁ。
現役じゃない立場だと好きなこと言えるよなぁ(笑)。